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結局、自分から手を繋ぐことも出来なくてモジモジするばかりの私。









付き合ってないのに、手を繋ぎたいなんて贅沢?









しかも相手は、敬浩さん………









そんな図々しいこと言えない。









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「あ、っぶねぇ!」









大きく響いたその声と同時に、ふわりと体が敬浩さんに引き寄せられた









俯いていた視線を上げたら、目の前には太くて立派な桜の木!?









「Aちゃん!ちゃんと前見てー?木に突っ込むとこだったでしょーが!」









「す、すいません!ボーッとしちゃった……」









恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じて両手で頬を押さえた









「あー焦った!なんか危ないからさぁ………」









笑いながら言う敬浩さんは、そっと私の右手を握り









「手、繋いでて?」









指を絡めて優しく微笑んでくれた。









きっかけは私の"ドジ" からだけど、手のひらから敬浩さんの温もりが伝わって手を繋げたことがすごく幸せだった。









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「そういえばさ、登坂っちとまゆちゃんが付き合いだしたんだってね!やっぱキューピットは俺かなぁ?」









川に架かる橋の上、手すりに寄りかかり桜を眺めていたら、いつの間にか話に夢中になっていた。









「確かに、あのパーティーで話してなかったらこうはなって無かったかもしれないですよね!ほんと敬浩さんのおかげじゃないですか?」









「だよねー?今度、登坂っちにお礼してもらわないと!」









「うんうん!」









「Aちゃんはさぁ……隆二と付き合ってるとかじゃないよね?」









「え!?」









それまでニコニコしていた敬浩さんが、真剣な顔付きに変わった。

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作者名:taka | 作成日時:2016年3月17日 18時

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