恋になるとき。2 (ページ10)

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トイレから席に戻る途中にあるタバコの自販機用のスペースで、誰かと携帯で話す臣さんがいた。

邪魔にならないように声はかけないで後ろを通ったのに、突然ガシッと手首を掴まれて"待て" とアイコンタクトだけされた。

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「俺の予想、ほんとに外れてたじゃん！隆二じゃなくて、敬浩さんだったんだ？」

壁に寄りかかり腕を組んだ臣さんは、偉そうに私の詮索をする。

「だから言ったじゃないですか！って、私が敬浩さんを好きだって………なんで……」

「ん？なんとなく言ってみたんだけど、やっぱりーだった！」

「……………言わないで下さいよ？絶対！」

何も言わず頷く臣さんと私の間に沈黙が訪れ、会話の変わりに響くのは

「ヘックシュン！」まゆの盛大なくしゃみと、それを笑う敬浩さんの声

楽しそう……思わず振り返り２人が待つ個室を見つめた

「マジなの？…………敬浩さん」

まだ詮索します？

「………………マジです」

言い切っちゃったよ、私。

明るいとこ、優しいとこ、かっこいいとこ、笑うとえくぼが出来るとこ、私の名前を呼ぶ低い声。

私、マジで好きになってました。