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Aから、一切連絡が来なくなった。
最後に会ったのは1か月前。
いつもの様に彼女を家まで送り届けて、その後から音沙汰無し。
最初の1、2週間は大学院が忙しいのかと思い気にしていなかったが、さすがに1か月も携帯を触れないことがあるだろうか。
俺は少し心配になり、彼女の家に行ってみる事にした。
俺は合鍵を渡しているが、彼女から合鍵は預かっていない。
思えば、彼女は俺に交友関係等言及されるのを嫌がっていた。
なんだか、俺だけが彼女に尽くして、俺だけが嫉妬して、
彼女は本当に俺の事が好きなのかわからなくなる。
インターホンの音を聞きながら、柄にもなく悲観的になった。
何度ボタンを押しても物音はせず、彼女は家にいないようだった。
確かに、1ヶ月前くらいは仕事が立て込んでいて彼女の相手を満足に出来なかった自覚はあった。
かと言って彼女が構って欲しいなんて理由で連絡をよこさないわけない。
何かあるはずだ。
俺は今日のところは諦めて自分のマンションに帰ることにした。
「…?」
マンションに車を停めて郵便受けを確認すると、何か硬い金属が裸のまま入れてあった。
それを取り出して俺は目を見開く。
「…合鍵…」
それは俺の家の合鍵だった。
彼女が直接ここに来たのは明白だ。
普段の俺なら、入れ違いの可能性を考えてすぐに車に戻っただろう。
しかし俺の足は地面にくっついて離れなかった。
合鍵が無言で戻ってきた。
それは、俺にとって良くない知らせの前兆に違いなかった。
動揺しながら立ち尽くして、俺は彼女に連絡を入れてみようと思った。
それしか思いつかなかった。
安室A、どうしたんですか
部屋に戻って、少し放心状態のまま震えた携帯を確認して、俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
A透さん、もう、終わりにしましょう
予測はついていた。
頭では理解しながらも、感情は追いつかなくて。
それから、彼女に何を送っても、返事はおろか既読すらつかなかった。
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ピカチュウ - 面白いです!!安室が、目を覚まさないまま終わりは嫌です。だから、更新頑張ってください!!! (2020年9月15日 6時) (レス) id: 59772e939d (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続き待ってます! (2020年8月20日 11時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 続きが気になるところで終わらせますね!?更新頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - 続きはないんですか??? (2020年4月13日 14時) (レス) id: 21fce29ea8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - こういうラストってありなんですか、、、!?(混乱) (2020年4月11日 7時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月29日 14時