検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:92,792 hit

ページ2

ブォォォン…

「…!…この音は!」

外からエンジン音が聞こえてきて、コナン君が弾かれたように走り出した。

私達も何が何だか分からないまま彼の後を追う。

外に出ると、犯人の何人かが車に乗って逃走を計っていた。

既に何メートルか離れていて、今から追っても間に合いそうにない。

このままでは犯人を取り逃してしまう…!

私はふと、きらりと光る物が目の端に映ってコンテナの上を目をやった。

それと同時に、逃走車の後輪がパンクを起こし蛇行の末停車する。

コンテナの上で、私の視線に気づいた赤井さんがふっと笑った。

気づくと、サイレンの音と共に何十台ものパトカーが辺りを取り囲んでいた。















取り調べ等が終わったのは夜が明けたころだった。

軽い医師の診察を受け外傷を治療されたが、特に大きな怪我もなく、私達は無事開放された。

未だ緊張感が抜けていないのか、一晩寝ていないというのに全く眠くない。

あの後、いつの間にか赤井さんと安室さんは消えていて、私は少しほっとした。

長い間会わなかったせいなのか、なんだか安室さんに顔を合わせづらい。

赤井さんはというと、私達の取り調べが終わるのを見計らったかのように登場し、昴スマイルで「送っていきますよ」とのこと。

お言葉に甘えて乗せてもらい、蘭ちゃん達とポアロの前でお別れした。




車内で2人になって、しばらく続いた沈黙を破ったのは私だった。



『赤井さん、ありがとうございました』

「俺は何もしてない」

『…赤井さんがいなかったら、犯人を取り逃してましたから』

「俺よりも感謝する奴がいるんじゃないか」

『…え?』

工藤邸の前で車が停められ、赤井さんの視線を辿ると、工藤邸の門に背中を預けて安室さんが立っていた。

「…行ってこい」

赤井さんにそう言われ、私は渋々車を降りる。

安室さんは、腕を組んだままじっと地面を見ていた。



『あの…安室さん、』

「行きましょう」


私の言葉を遮って、彼はRX-7の助手席の扉をあけた。

私は無言で車に乗り込む。


安室さんは赤井さんに鋭い視線を投げかけてから車を発進させた。


彼はどこか暗い表情でしばらく運転し、マンションの駐車場に車を停めた。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
527人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ピカチュウ - 面白いです!!安室が、目を覚まさないまま終わりは嫌です。だから、更新頑張ってください!!! (2020年9月15日 6時) (レス) id: 59772e939d (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続き待ってます! (2020年8月20日 11時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 続きが気になるところで終わらせますね!?更新頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - 続きはないんですか??? (2020年4月13日 14時) (レス) id: 21fce29ea8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - こういうラストってありなんですか、、、!?(混乱) (2020年4月11日 7時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:椿 | 作成日時:2020年1月29日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。