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ブォォォン…
「…!…この音は!」
外からエンジン音が聞こえてきて、コナン君が弾かれたように走り出した。
私達も何が何だか分からないまま彼の後を追う。
外に出ると、犯人の何人かが車に乗って逃走を計っていた。
既に何メートルか離れていて、今から追っても間に合いそうにない。
このままでは犯人を取り逃してしまう…!
私はふと、きらりと光る物が目の端に映ってコンテナの上を目をやった。
それと同時に、逃走車の後輪がパンクを起こし蛇行の末停車する。
コンテナの上で、私の視線に気づいた赤井さんがふっと笑った。
気づくと、サイレンの音と共に何十台ものパトカーが辺りを取り囲んでいた。
*
取り調べ等が終わったのは夜が明けたころだった。
軽い医師の診察を受け外傷を治療されたが、特に大きな怪我もなく、私達は無事開放された。
未だ緊張感が抜けていないのか、一晩寝ていないというのに全く眠くない。
あの後、いつの間にか赤井さんと安室さんは消えていて、私は少しほっとした。
長い間会わなかったせいなのか、なんだか安室さんに顔を合わせづらい。
赤井さんはというと、私達の取り調べが終わるのを見計らったかのように登場し、昴スマイルで「送っていきますよ」とのこと。
お言葉に甘えて乗せてもらい、蘭ちゃん達とポアロの前でお別れした。
車内で2人になって、しばらく続いた沈黙を破ったのは私だった。
『赤井さん、ありがとうございました』
「俺は何もしてない」
『…赤井さんがいなかったら、犯人を取り逃してましたから』
「俺よりも感謝する奴がいるんじゃないか」
『…え?』
工藤邸の前で車が停められ、赤井さんの視線を辿ると、工藤邸の門に背中を預けて安室さんが立っていた。
「…行ってこい」
赤井さんにそう言われ、私は渋々車を降りる。
安室さんは、腕を組んだままじっと地面を見ていた。
『あの…安室さん、』
「行きましょう」
私の言葉を遮って、彼はRX-7の助手席の扉をあけた。
私は無言で車に乗り込む。
安室さんは赤井さんに鋭い視線を投げかけてから車を発進させた。
彼はどこか暗い表情でしばらく運転し、マンションの駐車場に車を停めた。
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ピカチュウ - 面白いです!!安室が、目を覚まさないまま終わりは嫌です。だから、更新頑張ってください!!! (2020年9月15日 6時) (レス) id: 59772e939d (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続き待ってます! (2020年8月20日 11時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 続きが気になるところで終わらせますね!?更新頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - 続きはないんですか??? (2020年4月13日 14時) (レス) id: 21fce29ea8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - こういうラストってありなんですか、、、!?(混乱) (2020年4月11日 7時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月29日 14時