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目が覚めた。

昨日泣きすぎたからか、軽い頭痛を感じながら、私は上体を起こした。

寝ぼけた頭で昨日のことを思い出す。

そうか、ここは安室さんの家だ。

私達はあのまま__

「おはようございます、Aさん」

ご飯出来てますよという安室さんの言葉通り、美味しそうな匂いがする。

私は布団から出てリビングへ向かった。

『…すごい』

「エッグベネディクトです!遠慮なく食べてくださいね」

そこには優に5人分はある食事が所狭しと並んでいた。







私達はそのまま何事もなかったかのように分かれた。

安室さんがいつもの愛車で私を家の前まで送り届けてくれて、彼の合鍵を渡された。

安室さんはいつも笑顔だけど、今日は気持ち悪いくらいずっと笑顔だし上機嫌だった。

何かいい事でもあったんだろうか。

不思議に思いながらも、私は家に戻ってはっと気づいた。

また彼のペースに流されている。

この前『この関係はもう終わりです』なんて言ってしまったのに、私達はまた前のような関係に戻っていた。

否、前よりも親密な関係に、だ。









「えー!安室透とヤっちゃった!?」

『声大きい!』

彼女は私の大学の友人、佐瀬 杏(させ あんず)だ。

私より年下だが恐ろしく優秀で、世界的に有名な学術誌に論文が何度も掲載されている。

彼女は工学部なのでなかなか私とスケジュールが合わず、以前遊んだのはもう半年くらい前の事になる。

メッセージアプリで連絡は取っていたので、私の身に起きたことはだいたい把握していた。

「それって、あのポアロの有名なイケメン店員だよね!なんでそんな事になったの!?きゃ〜!」

1人で騒ぐ杏に呆れながら、私はその経緯を簡単に話した。

「ん〜、それってさあ、その安室さんはちゃんとAのこと好きなのかなあ」

『好き…じゃないと思うけど』

「えー!そんなのダメだよ!なんで体を許しちゃったの!?」

『だって、あの時は精神的に弱ってたし…』


それに、優しく優しく抱き締められて、キスされて…それ以上も、嫌じゃなかった。

「さては、Aその安室さんに惚れてるな〜」

『…』

「え!まじで?まじで惚れてんの!?」

『杏、うるさい』



彼女は優秀だが、性格が残念な子なのだ。

でも、彼女と話していると自分の悩みが馬鹿馬鹿しくなってくるから不思議だ。

私は杏に呆れた顔をしながら、心が少し軽くなるのを感じていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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ピカチュウ - 面白いです!!安室が、目を覚まさないまま終わりは嫌です。だから、更新頑張ってください!!! (2020年9月15日 6時) (レス) id: 59772e939d (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続き待ってます! (2020年8月20日 11時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 続きが気になるところで終わらせますね!?更新頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - 続きはないんですか??? (2020年4月13日 14時) (レス) id: 21fce29ea8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - こういうラストってありなんですか、、、!?(混乱) (2020年4月11日 7時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月29日 14時

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