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港近くを携帯のマップで拡大して見ていると、俺はふと電話の時に聞いた音を思い出した。
「…あの時、電車の音がかなり近くで聞こえてた!」
「ふむ、電車か…」
そうなれば、コンクリートの建物など限られてくる。
俺はマップでそれらしき建物を探した。
…あった!
「これだ!昴さん、ここに向かって!」
俺がスマホの画面を彼に見せると、了解、と昴さんがアクセルを踏んだ。
*
「ここに向かって!」
俺は前の車を追って愛車を走らせながら、イヤホンで小さい探偵の言葉を聞いていた。
彼がポアロに「Aさんが攫われた!!」と血相変えてやって来た時につけておいた盗聴器が功を奏した。
彼は組織のアジトを突き止めるのに相当頭を使っているようで、盗聴器の存在に気づいていない。
しかし…沖矢昴は後ろからついてくる俺の車に気づいているだろうと思った。
それにしても、コナン君はノゼが仲間の釈放を望んで蘭さんを人質に取った事を知り安堵しているようだが、俺は逆にそれを聞いて焦りを覚えた。
確かに蘭さんは大事な人質だ。丁重に扱うだろう。
だが…Aさんは?
彼女は毛利小五郎とはほとんど接点はない。
人質としての役目は果たさない。
ノゼは目的の為なら手段は選ばないし、邪魔者は容赦なく消す集団だ。
そのほとんどが軍隊出身の者で、体術に長けている。
Aさんが無事で帰って来れる可能性は…低い。
俺は奥歯を噛み締めた。
A…無事でいてくれ。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます!!多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです! (2020年1月29日 12時) (レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい!夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです!ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください!応援しています! (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月16日 19時