＊ ページ35
『ここは…』
「それじゃあ、私はこれで…またどこかでお会いしましょう…Aさん」
私が引き止める前に、彼は行ってしまった。
見上げると毛利探偵事務所の窓から光が漏れている。
コナン君たちを頼れということなのだろう。
さすがに突然押しかけて迷惑をかけることは出来ない。
私はその近くの工藤邸へ向かう事にした。
呼び鈴を押すと、「はい、」とインターフォンから沖矢昴の声が聞こえた。
『…私です』
「…どうぞ」
少し間が空いて赤井さんが答え、私は工藤邸に入っていった。
「何があった？」
怪訝そうに聞いてくる赤井さんに、事の全てを話すのははばかられた。
私はキッドに話したように安室さんのことを隠して断片的に説明した。
赤井さんはただ静かに私の話を最後まで聞いていた。
「…つまり安室君に嫌なことをされて逃げてきたわけだな？」
『…』
やはりこの人に嘘は通じなかったか。
「何をされた？」
直球を投げてくる彼の視線に耐えきれず、私は目を逸らした。
「…押し倒されでもしたか」
ピンポイントで言い当てた赤井さんに、私はびっくりして目を見開く。
「やはりな…まったく、いい度胸だ」
赤井さんは少し苛立っているようだった。
泊まっていけと言ってくれたので、お言葉に甘えて客室のベッドをお借りすることにした。
「…Aは、怖かったのか？安室君に迫られて」
『…怖くは、ありませんでしたよ、多分』
「…そうか」
赤井さんはすれ違いざまに私の頭を撫でて、「ゆっくり寝ろよ」と自分の寝室に入っていった。
私はと言うと、泣き疲れていたのか、布団に入るとすぐに眠りについた。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
