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『というような事があったんですよ』
どう思います？と私が問いかけると、赤井さんはふう、吐息を吐いた。
「どうと言われてもな…」
「
正体を隠す必要がある赤井さんとの密談の場所はここと決まっている。
今日は以前頼まれた黒の組織の情報を赤井さんに渡しに来たのだった。
赤井さんが組織をぬけてからの情報を手に入れて彼へと渡すと、報酬を貰う。
私は彼専用の情報屋だ。
「…A、これは推測だが…その彼は君と同じことをしてるんじゃないか？」
『同じこと？』
「つまり、君の意図にいち早く気づき、」
『…逆に私から情報を抜き取ろうとしている…？』
今までの彼の行動を思い出してみる。
毛利さんの弟子という危険ながら安全な隠れ蓑を勝ち取る頭脳と演技力。
それに加えて昨日のおかしな態度。
『筋が通る…』
自分がハニートラップにかけられるなんて1ミリも考えていなかった。
してやられた…と頭を抱えていると、隣の赤井さんがくつくつと笑った。
『なんで笑ってるんですか』
「いや、Aは外見的にはクールで余裕があるようにに見えるが、実際そうじゃないようだと思ってな」
『…そんなの、演じてるだけですよ』
焦りは隙を生む。
相手は私の隙に付け入ってくるのだから。
「そうか」
赤井さんはグラスを置いて、その大きな手で私の頬を撫でた。
『…なんですか』
「俺の前では素でいていいんだぞ」
『赤井さんの前ではいつでも素ですよ』
「ふっ、そうか」
赤井さんは私の元上司だ。
警察としての心構えも実践技術も、この人に教えて貰った。
兄弟のように気兼ねなく話せる数少ない人の一人であり、
私の初恋の人でもある。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
