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「組織について情報収集してくれないか?」
そう、赤井秀一に頼まれてから2日が経っていた。
私は赤井さんの依頼を遂行中である。
ジン、ウォッカ、ベルモット。
お酒の名前がコードネームのその組織は、そんなに簡単に尻尾を出しそうにはなかった。
私はとりあえずハッキングによって手に入れた組織の情報を一旦まとめると、肩をまわしながら席を立った。
今日は土曜日。
空は快晴、気温上々のいい散歩日和だ。
私は身支度を整えて家を出た。
喫茶ポアロ
そこが、私が最近見つけたお気に入りの喫茶店だ。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
ポアロは何度か来ている。
いつも美人な女性店員が出迎えてくれるのだが、今日は見知らぬ男性がポアロのエプロンをかけてにっこりと挨拶してきた。
新人さんだろうか
「ご注文お伺いします」
「じゃあ、、イカスミパスタで」
「かしこまりました〜」
それにしても笑顔の眩しいこと眩しいこと。
健康的な褐色の肌と色素の薄い髪の毛、アイスブルーの瞳と相まって王子様のようである。
ふと見ると、彼は別のテーブルで女子高生に捕まっていた。
聞こえて来る会話の感じからして、その男性はアイドル的存在なのだろうと推測できる。
爽やかで、明るくて物腰が柔らかい彼はさぞかし人気者だろう。
しかし私は彼の笑顔に違和感を覚えた。
本当の笑顔には見えなかった。根拠はないけど。
ただアイスブルーの瞳が、たまに私に鋭い目線を投げかけてきていることだけははっきりと分かった。
*
「バーボン」
ポアロで一休みした私は家に戻りまたパソコンと向き合っていた。
バーボン、という名前のその人物の特徴を見ると、どうしても今日のポアロの店員さんがチラついてしまうのだ。
組織の人間があんな場所で働くだろうか?
毛利探偵事務所の真下で。
それとも逆にそういうポジションを勝ち取り隠蓑にするつもりだろうか?
どちらにせよポアロにはまた行くのだからその時観察しようと心に決めて、私はパソコンを閉じた。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます!!多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです! (2020年1月29日 12時) (レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい!夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです!ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください!応援しています! (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月16日 19時