覚醒した大罪人 (ページ8)

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第8話ページ8

「＜十戒＞たちが魔神軍を率いて妖精王の森に向かってくる!!」

そういえば…リュドシエルは生き餌を使って何をするつもりなんだ…?

茉「これが、試練なのかな…?」

丘「おぉっ、いたのかよ…茉り……ドロールもそう思うのか」

茉「うん…」

危ない。

茉林って言いそうになった。

メ「グロキシニア!ドロール!」

丘・茉「?」

俺達が振り返ると、メリオダスが真剣な表情で立っていた。

茉「どうしたのメリオダス、そんなに慌てて…」

メ「オレは今から奴らと話をつけにいく!だから頼む、エリザベスと…森を護ってくれ!」

丘・茉「!!?」

＜十戒＞と話をつけにいくなんて、いくらなんでもありえない。

流石にメリオダスでも、あの数相手には勝てる訳がない。

丘「向こうは何人もいるんだぞ…!?」

メ「分かってるさ…だが、何か嫌な予感がするんだ」

それでも行かせる訳にはいけない。

丘「でもよ…<十戒>(あいつら)がこっちの話を聞くと思うのか?」

メ「このまま戦を続ければ…

全ての種族が息絶えるぞ…!」

丘「っ…」

メリオダスの言葉を聞き、俺は唾を飲んだ。

茉「あっ、待って!私も行く!」

丘「は?」

いきなり茉林がそんなこと言うもんだから、つい口に出てしまった。

もしそれで何かが起こったらどうするんだよ。

茉「万が一戦うことになったら巨人の王(わたし)の力は不可欠でしょ?」

メ「確かに…ただし、こっちからは絶対に仕掛けるなよ?」

いやメリオダスも承諾しちゃってるし。

茉「うん!頑張ろ…!」

丘「じゃ、俺も行…」

そこまで言いかけて、ゲラードのことを思い出した。

俺は今だけでも、ゲラードの兄だ。

いくら女神族がいるとはいえ、こんな状況で森を留守にするのは妖精王としてどうなのだろうか。

ロ「森の留守は、俺ら人間に任せとけよ」

メ「ロウ!」

いつの間にここに来たのだろうか。

後ろにはロウが立っていた。

ロ「助けてもらった恩は返さねぇとな!あんたら程とは言わねぇが、腕にゃ自信あるんだぜ?」

そしてロウはニッと笑った。

というか、めっちゃいい奴じゃねぇか…。

丘「…本当に、いいのか?」

ロ「あぁ、いいぜ」

丘「じゃあ、頼む。森と…妹(ゲラード)を護ってくれ…!」

ロ「お安い御用だ!」

よし、これで少しは気持ちが楽になりそうだ。

と思った矢先。

茉「皆見て!」

丘「ん?」

茉「魔神族の動きがピタリと止まっちゃった」

メ「…まさか…!!」