第33話 ページ33
ゲ「…やめないと言うのなら…私は…私が…」
涙を流しながら、途切れ途切れに言葉を発するゲラード。
そんなゲラードを見て、ロウは口角を上げた。
ロ「俺を殺すか…そうだな…それもいい…やれよ」
微笑みながら、ロウはフラフラとゲラードに近づいていく。
そんなロウを見て、妖精は叫んだ。
「ゲラード様!早く!早く!!奴を殺して!早く殺して!!」
そう急かされても、ゲラードは一向に殺すような素振りを見せない。
するとロウが声を荒げた。
ロ「俺は
さあっ殺れ!!」
ゲ「どうして……どうして……」
別人のようになってしまったロウを見て、ゲラードは大粒の涙を流した。
ゲラードの手は小刻みに震えている。
と、その時――
ゲ「え……」
ゲラードの右目が切り裂かれ、後ろにいた妖精の首が跳ね飛んだ。
その様子を見てロウは目を見開く。
「ボサッとしてんじゃねぇロウ!!さっさと……仕留めやがれ!!」
ゲラード達に攻撃を仕掛けた犯人はロウの仲間だった。
激しく息を切らし、色んなところに怪我を負っている。
ゲ「あ……」
「ん?まだ逃げるか羽虫ィ〜〜!!」
ズルズルと地面を這うゲラードを見て、そう声を上げる。
するとロウが小さく言葉を零した。
ロ「やめろ…もういい」
「羽の次は足だ…!!」
そんなロウの言葉も無視して、その男は剣を振り上げる。
そして、勢いよく振り下ろした。
人間たちによる反乱が治まった時、ゲラードは目を覚ました。
ロ「バカやろう…何で俺を殺さなかった」
そう悲しそうに呟くロウに、ゲラードは途切れ途切れに言葉を発する。
ゲ「あなたと…兄上の話をした時…あなたの…中に…抑え込んだ怒りと、悲しみと…1つの顔が……見えたの…」
ゲ「私に…よく似た……少女、の顔…」
ゲラードがそう言うと、ロウは懐かしむような声で話し始めた。
ロ「……同じ村の幼馴染だ…あいつがいじめられていると、俺は飛んで行って助けたものさ
いつか大人になったら…好き合って…一緒になるんだろうって…そう思ってた…」
ロ「でもあいつは、大人になる前に死んだ……<
<光の聖痕>はある時突然村を襲うと皆殺しにした……理由も口上も弁明もないままにな…
思い当たる節があるとすれば…数日前傷つき行き倒れていた1人の魔神族を介抱したということくらい
今でも覚えてる…いい奴だった」
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪夢(プロフ) - エリナさん» はいありがとうございます (2018年10月19日 19時) (レス) id: 213107aa8a (このIDを非表示/違反報告)
エリナ(プロフ) - わかった消します (2018年10月19日 19時) (レス) id: c6c0156c67 (このIDを非表示/違反報告)
エリナ(プロフ) - 雪夢さん» 凄いなぁ… (2018年10月15日 20時) (レス) id: c6c0156c67 (このIDを非表示/違反報告)
雪夢(プロフ) - エリナさん» とりあえず気合で() (2018年10月15日 20時) (レス) id: 213107aa8a (このIDを非表示/違反報告)
エリナ(プロフ) - 先生質問です!どうやったらそんなに早く更新出来るんですか? (2018年10月15日 19時) (レス) id: c6c0156c67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪夢 | 作成日時:2018年9月25日 21時