覚醒した大罪人

第27話 ページ27

ゴ「「…やはり外の世界はいいものだ」」

茉「え?何急にどうしたの?」

ゴウセルが突然そう言うものだから、ドロール(まりん)とグロキシニア(がくと)は驚いた。

ゴ「やあすまない、こちらの話だ」

だがゴウセルは曖昧な一言をこぼす。


ゴ「「聞こえる…怒り…嘆き…畏れ…痛み…

荒々しい感情が乱れ咲いている

感情こそが生きている証明と価値に他ならない」」

ゴ「「感情の爆発は芸術だ」」


メ「許され…ないわよ、ゴウセル…魔神王様に…無断で…どういうつもり…!?」

ゴウセルに操られているメラスキュラが途切れ途切れで言葉を発する。

メ「今は…聖戦の…真っ只中…なの…よ…!?」

ゴ「聖戦などどうでもいい、どうでも……俺にはまるで関心がないよ」

目を瞑り、本当に興味がなさそうに言った。

ゴ「盲目的信者(おまえ)には理解しようもないだろうがな」

メ「!!!」

ゴ「魔神王に「無欲」の戒禁を与えられ500年、俺は自由を奪われ」


ゴ「自ら作った人形――ゴウセルを通してのみ、外の世界と接してきた」

茉「に…人形…!?」

丘「ということは、このゴウセルとは別に、もう1人ゴウセルがいるということか…」


ゴ「だがそれももう限界だ。俺はこの世に別れを告げる」


ゴ「バイバイ」

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