小さな救世主

いち ページ1

『 本当にすみませんでした 』





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自分の目の前…険しい顔で腕を組む先輩に深々と頭を下げる。







椅子も机も倒れていて、窓ガラスは粉々。



昨日までは綺麗だった…部屋をこんな風にしてしまったのはもちろん他ならぬ自分のせい。









まだ未熟だったのかもしれない。


早く一人前のカウンセラーになりたくて……カウンセラーとしてやってはいけないことばかりをやってしまった。






その結果がこの有様





“ カウンセラーなんて、簡単になれるもんじゃなかった。”





そんな後悔を胸に抱きながら、頭を下げていると先輩は一枚のメモ用紙を差し出してきた。









先 「 お前明日から、ここ行ってこい」







たったその一言…たったその一言で私は今の仕事場から追い出されてしまったのだ。









『 わかりました。 行ってきます…』






所詮、下っぱだ。どんなに反論したって自分の意見が通らないことくらい分かってる。









そしてその日から3日後のこと……

私は大きなカバンを持って人里離れたこの山奥の家へとやってきたのだ。

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