_“とどまつ”とは ページ5
「じゃあ君もニート?」
「いや、そういう事になりますけど…」
え、“も”って事は…
「貴方、ニートなんですか。」
「そーだよー?
全員無職ー!笑えるよねー!」
全員とは。他にも誰かいるのか。
そこは突っ込まない。
何か聞いてはいけない気がする…
「そうですか。ま、頑張ってくださいよ。
私も明日から就活です。」
そう言い河川敷から立ち上がろうとすると、下から腕を引っ張られた。
「待ってよー!
これからやることないでしょー?
僕の家に来たらー?」
何を言うんだ…
やる事、沢山あるんだけど。
書類書かなきゃいけないし。
「やる事、沢山あるんですけど。」
「じゃあ僕の家でやればいい!」
「他人の家でやる事じゃないですし、何で知り合ったばかりの人の家に行かなきゃいけないんですか。」
「んー、何かまだ落ち込んでそうだから、かな。」
珍しく、語尾に感嘆符がない。
真面目に応えてるらしい。
「はぁっ…そんな顔しないでください。
私が悪いみたいじゃないですか。」
切なげな、落ち込んだような表情をしていた。
見てるこっちが罪悪感でいっぱいになる。
普通の事、言っただけなのになぁ。
「……分かりましたよ。行くだけですからね。
変な事したら警察駆け込みます。」
ほぼ、百%しないと思いますけど。
一応忠告。
「ほんと!じゃあ帰ろ!!!」
私、とんだお人好しじゃん。
「一人暮らしなんですか。」
「んーん!
母さんと父さんと、兄さん達にトド松!」
……実家暮らしか。
……まてよ。
母さん、父さん、兄さんは分かる。
けど、“とどまつ”って何。
金魚か何かか。ハムスターか、うさぎなのか。
なんか、動物も家族だよー!
って天真爛漫に言いそうだから、余計に分からない。
“とどまつ”と言うモノが凄く疑問であったが、取り敢えず頷いておく。
「へ、へぇ。そうなんですか。」
今思ったけど、パンツスーツの私と、黄色のユニフォームを着た男の人。
傍から見たら、どんな関係か分からないよな。
怪しい人達だよ。
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年2月6日 23時