ハロー・マイラヴァーズ6 ページ14
千空はいつものように天文台の天井窓の隙間から顔を出して
月をぼんやり眺めていた。
「千空さん！いらっしゃいますか！」
千空はギョッとした。
声の主のAは傷だらけのボロボロ状態で天文台へ突然やってきたのだから。
「あ、あーーー居た。あーよかった」
何がいいのか意味がわからない。
「千空さんがどこに行ったのか分からなくて、一生懸命探したんですけど、みつけられなくて…」
「…。」
「ぷっ」
「クハハハ…。お前…」
「わ、笑わないでください！」
お腹を抑えながら思いっきり笑う千空にAは顔を真っ赤にした。
「私は普通に千空さんが怒ってしまったと思って、謝らないとって…」
「ククク、3700年経ってもお前はお前なんだな」
千空はAの腕を引くと、自分の前に座らせぎゅっと後ろから抱きしめた
「千空さん？」
「嫌か？」
「嫌ではないです…」
「ならいいだろ」
そうやって首筋に顔を埋められた。こそばゆい気持ちになりながら顔を上げると、目の前には望遠鏡。その奥の窓から大きな月が見えた。
あれ？この月 どこかで…。
「なんだか、昔に大好きな人がいてその人と一緒にこうやってた気がします」
気付いたら自分の思い出について話し始めていた。
遠い遠い3700年前の記憶。
「その人は私のことなんかどうでも良くて いつも何かに夢中で、背中ばっかり見てました」
「…。他には？」
Aはうなずいて続けた。
「その人には大きな夢があって、夢に向かっているときはお星様みたいにキラキラしていました」
「へー」
「だけど本当は孤独だったんだと思います…だから、できるだけそばに居てあげたかったんです」
「…そうか」
「でも、見失ってしまったんです。探してるうちに、自分が何を探していたのか、わ、分からなくっ…」
「A」
Aの瞳からは大粒の涙が止めどなく流れていた。
「もういい」
いっぱいいっぱいになったAはそのまま千空を押し倒して馬乗りになった。ぶっ倒された千空はくらくらしながら頭を上げる。
「あ“あー？なんだ突然」
「千空さん」
「好きです、ずっと、何千年も前から！」
Aは涙を拭いながら笑った。
面食らった顔をしていた千空もまた同じくニヤリと笑った。
「お前にしちゃはやかったな 100億万点やるよ」
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たいやき(プロフ) - 小麦粉さん» ありがとうございます！何か思いついたらまた更新できるようにします！ (2019年12月16日 3時) (
レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
小麦粉(プロフ) - はしまして！全作品読ませてもらいました！凄い好みで読めて嬉しかったです。続きを待ってます！ (2019年12月15日 8時) (レス) id: 738efae2c3 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - いちかさん» こちらこそリクエストありがとうございました！感想も嬉しいです！^_^ (2019年11月29日 6時) (レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - たいやきさん» こんにちは。hとχの続き、読ませて頂きました！こんなに早く上げて頂けるとは…本当にありがとうございました！千空が自分をヒョロガリと称するの可愛いかったです笑 (2019年11月26日 14時) (レス) id: 1198a4bf74 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - いちかさん» ありがとうございます。私も学生時代に想いを馳せたつもりです！笑 リクエストありがとうございます。後ほど書いてみたいと思います！ (2019年11月19日 20時) (レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2019年10月24日 11時
