8.金髪の不良、再来 ページ8
学校が終わって
バイトの時間になってしまった。
『お疲れ様でーす!』
今日もよろしく!と
店長から肩をポンっと軽く叩かれる。
学校であずちゃん達と話していたことは
少し忘れていた頃。
その時は来てしまった…。
「こんにちは〜お姉さん!」
『へ…????』
ま、まさか、まさかの、
噂の佐野万次郎か……?
やっぱり学ランだ…着崩してるけど…。
学校終わりかな…?
いや、
そんなことどうでも良くて、
この人、るあちゃん曰く、
暴走族の総長なんだよね…?
「お姉さんって
いつも何か考え事してる?」
『え…何がですか…!?』
急に話しかけられて声が上ずる。
「ほら、なんかボーッとしてるし、」
『あ、この間はすみませんでした…!!!』
「あぁ、全然気にしてないから!
俺は黒餡派だけど笑」
『本当に申し訳ありま…』
「でもすごく美味しかったから!」
え………
今なんて……?????
金髪の不良は、ニコッと笑う。
なんだろう、この人の笑顔、
私の胸の奥をこそばゆい感じに
させてくる。
それより何?
美味しかったって??
この前は味が違うとか
何とか言ってたやんけ!!
『でも、いつもと味が違うって
言ってませんでしたっけ…?』
「あ、言ってたっけ?」
なんだこの人!?
記憶無いのか!?
「お姉さん!今日は黒餡でお願いね!」
『あ、はい!!』
今日は絶対間違えない…!!!!
『お待たせしました!』
「お!ありがとう」
そう言って受け取ると間もなく、
金髪の不良は目をキラキラさせながら
たい焼きの尻尾をパクパクと食べ出した。
「やっぱ黒餡だよな〜!」
『ここのたい焼き、
お好きなんですか?』
「ウン!もうね、通い詰めてるよ。
昨日からここが
新しくできたって聞いてさ、
俺んちと近くてありがてぇんだよな〜」
餡子を口の端につけながら、
もぐもぐと話す。
『お家、近いんですか?』
「そう!商店街のとこ出て
少し歩いたところ!」
え、待て、私ん家もそこら辺だけど…
『もしかして、桜坂6丁目の近く…?』
「そうそう!え、なんで知ってんの?」
『いや、私の家もその近くですから!』
あ、個人情報言ってしもうた。
「へぇ!そうなんだ〜」
金髪の不良は何故か得意げに言った。
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作者名:ゆゆゆ | 作成日時:2021年9月1日 23時