たい焼きに裏と表ってあるのかな？《佐野万次郎》 (ページ29)

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29.佐野side2-6 場地の彼女？ページ29

ハッと思い出したようで
俺に話しかけるA。

『あそこの制服
　ブレザーじゃなかった？』

「うん？あー、俺そういうのより
　こっちの方が好きだから」

俺の着てる特攻服は
三ツ谷が仕立ててくれたもので
気に入ってる。

『え、待って、それ
　学校に着て行ってるの！？』

「なんだよ、悪りぃかよ」

『いや、悪いとかそれ以前の問題だと
　思うけど、怒られないの？』

確かにこれ最初着てきた時は
先生たちからぐちぐち言われてたけど
もう言ってこねぇな…。

俺も少し思い出していると、
Aが急に何か思い出したようにして
誰かを探している。

『あずちゃん？！』

あずちゃん…?誰だそいつ。

「Aちゃん！！！」

『_______あずちゃん！よかった！
　そこに居たん…って、その横の人誰？』

「私の彼氏♡」

知らねぇ女出てきたと思ったら、
なぜか横に場地が居た。

「おい、場地！何してんだよそこで」

「彼女を守ってた」

『「は！？」』

Aとハモる。

「おまっ、いつから彼女なんか...!!!!!!」

「あ、そっちの彼女じゃなくて
　この子をって意味の方で…」

「なんだよそれ！紛らわしいわ！！」

なんだよ、調子狂うな…

知らない女が場地の彼女と名乗っている。

「おい、あずさ何言ってんだよ、
　俺らまだ付き合って…」

「場地！？
　まだってなんだよ、まだって！！！
　今から可能性あんのかよ！！」

『しかも名前呼び！？』

「あ？！
　さ、さっきからごちゃごちゃ
　うるせぇんだよマイキー！！」

「あ！？お前勝手に彼女作りやがって、
　俺らの約束忘れたのかよ！！」

「は？約束？！」

場地…忘れてやがるな…?!!?

「じゃー、俺も言わせてもらうぞ？」

Aの腰に手を回して
ぎゅっと抱き寄せる。

「Aは今日から、
　俺の彼女だから触れんな」

『は!!!!!!!!!!!!!!!!』

ちょっとやり過ぎたかと
やった後に後悔したけど
もう仕方ない、場地が勝手に
彼女作ったのが悪い！！

「場地がそう言うなら、
　こっちもこう出ないとな？A？」

「いやん、マイキー君ったら大胆〜♡」

『あずちゃん、何呑気なこと言ってんの！！
　ちょっと、マイキー君も離してよ！！』

「やぁーだ！」