たい焼きに裏と表ってあるのかな？《佐野万次郎》 (ページ27)

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27.佐野side2-4 良くないことの始まりページ27

「俺らでマルファス、潰すんだ。」

場地がそう言うと他のみんなも頷き、
ケンチンが叫んだ。

「オメェら！！よく聞け！！

　俺らでマルファス潰すぞーー！！！」

うぉぉぉおおおお！！！！

「ありがとう……」

みんながみんなを思いやる気持ちが
俺の心にひしひしと伝わってきた。

やっぱり俺は東卍が好きだ…!!

決戦は4月13日。
桜坂商店街から1キロぐらい離れた、
河川敷が決戦場所だ。

みんなが解散してから
場地が言い寄って来た。

「お前、”守りたい奴もいる”って
　言ってたけど、それって…?」

「あ？？」

「Aちゃんのことか？」

「ちょっ！バカっ、
　デカい声で言うなって！」

「え、なになに、マイキー、
　たい焼きちゃんのことか？」

「おい、パー!!!!!!!!」

「そう怒んなって〜、なっ？
　たい焼きちゃんに夢中な
　マイキーくん〜？」

「かーずーとーらー????????」

「こらこら、お前ら、
　マイキー怒らせて何してんだよ」

三ツ谷が止めに入る。

「マイキーの守りたい人
　誰なのか選手権してんの！」

一虎が俺の肩に手を回して
無邪気に答える。

「ふん、しょーもなっ」

「んなこと言いながらケンチンも
　笑ってんじゃねーか!!!!!」

「ははっ、わりぃわりぃ〜」

そんなことを話した後
商店街の方に向かうと、
何やらAのたい焼き屋さんから
声が聞こえてきた。

男の声？
なんか黒い人影みたいなのが見えるぞ…

そう気付いた瞬間、

カラスの奴だ_______________

頭が真っ白になった。

気づいたら俺は無意識に
Aの元まで全速力で走っていた。

「ふん、お前はここでくたばっとけ」

そう言って、ガタイのデカい奴が
Aに向かって
棒を振り下ろそうとしていた。

そいつの腕を掴んで止めるのに
そんなに力は要らなかった気がする。

「遅くなってごめん、A。
　怪我はないか？俺のバイク、
　守ってくれてたんだろ？」

しゃがみこんでいたAは
片手で頭を押さえていたが、
もう片方の手は俺のバイクを
守るように腕を伸ばしていた。