87.休息 ページ10
.
「「主!」」
「主さん!」
「!」
丁度まんばがカタをつけた時、どうやらそちらもカタがついたのか、三振が社の入り口付近に立っていた。
雨の中で戦っていたせいか、三振共びしょ濡れだ。
見たところ怪我はなし…か。
よかった…。
「おい!」
「っ!?」
安心したのだろう。
入っていた力が抜け、その場に倒れそうになる。
慌てた奴良君と鴉さんが手を伸ばしてくれるが、その中に倒れる前に後ろから誰かに支えられた。
「はあ…やはり無理をしてたんだな、主」
「ま、んば…」
私を後ろから支えてくれたのは、まんばだった。
少し大き目の溜息を吐いて、いつの頃だったか、同じ様に私を抱き上げた。
お姫様抱っこだ。
「う……これ、恥ずかしい…」
「お前の自業自得だ、我慢しろ」
私が恥ずかしがっているのを無視し、まんばはそのままスタスタと社の出口に向かう。
そこで待機していた三振が心配そうな顔をして駆け寄って来た。
三振共びしょ濡れだ…。
無理をさせちゃったな。
…そう言えば、刀剣男士も風邪とか引くのだろうか。
もし引くのなら早く着替えさせるか、本丸に戻さないと。
「主!大丈夫か…って、顔赤いじゃんか!」
「…本当だ、熱がある。早く休まさせないと」
「あ、道案内は任せて。俺、ちょっとここら辺は詳しいから」
「頼む、蛍丸」
「休むなら、ここで休めばいいじゃねえか」
「!」
「「わ、若!?」」
そう提案して来たのは、奴良君だった。
何故かフッと笑みを浮かべ、腕を組みながら、紅い瞳でこちらを見ている。
「そいつ…お前らの主、なんだっけか。俺もさっき触ったが、すげえ熱だ。こんな雨の中に出るより、ここで休んで行った方が得策なんじゃねえか?」
「……」
「それに、そんな体で雨の中に出たら悪化するに決まってる。それぐらい分かるだろ?」
「……」
…何で蛍丸君以外だが、そんな警戒心バリバリなんだ。
わざわざ奴良君が提案してくれてるんだ。お言葉に甘えてもいいと思う。
それに奴良君が言ってる事も間違っていないし、逆にドンピシャだし、私は賛成なんだけどな…。
さてどうしたら…と悩んでいると、
「いいんじゃない?」
後ろから蛍丸君が出て来てそう言った。
「あいつの言ってる通りなんだしさ、休ませて貰おうよ。手を出して来るなら返り討ちにしたらいいんだし…ね?」
笑顔で怖い事言うな…。
.
377人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私逆ハー大好物なのでしてくれると嬉しいです!刀剣男士、ぬらりひょんの孫のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月21日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!出来たら全員のキャラに愛されたいです!(恋愛的に)あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月21日 5時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
赤い猫(プロフ) - 返信&更新ありがとうございます!これからも、ぬら爺と三日月じぃじのお茶会を想像しながら忠犬の如く待ちます!凄く好みな話しなので大丈夫、待てます!(`・ω・´)なので、無理の無い様にのんびり気が向いた時に更新して下さいね! (2020年11月10日 9時) (レス) id: 980ce92203 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 赤い猫さん» 大変申し訳ありません…。亀よりも遅い更新となりましたが、今後も広いお心で読んで頂けると嬉しいです…。本当にすみません…。 (2020年11月10日 2時) (レス) id: be10d4266f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - はまぐりさん» いやホントにもう更新遅くてごめんなさい!!!頭の中では大体出来てるんですが、それを字体にするとなると…。とにかく!遅くなり、すみませんでしたーー!! (2020年11月10日 2時) (レス) id: be10d4266f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヒア | 作成日時:2019年8月15日 16時