48.百鬼夜行 ページ6
生温かい霧の様なものが辺りを包み込む。
その妙な霧を確認した旧鼠が手を止める。
「何だ…？ありゃ…」
少女も手を止め、視線を追う。
そしてそれが何なのか分かったのか、やや目を丸めながら刀を収めた。
「久しぶりに見たぜ…。さて、頃合いだな…。どうやら俺はここまでらしい。身体を返すぜ、姫」
スッと少女は目を閉じた。
その途端にパッと銀の黒い瞳が表れた。
…お、戻った。助かったよ、鶴丸。
で？あの凄い妖気の集団は何。
霧から現れたのは妖怪の群勢、百鬼夜行がそこにあった。
「星矢さぁん！こ、これは！？」
「星矢様ぁー！！」
旧鼠達の視線が百鬼夜行に向く。
それを確認した私は未だに籠の中にいる二人に駆け寄った。
その時に妖怪の先頭を率いていた者の目が、私を捉えているとは知らずに。
「待たせたな…鼠共…」
「何者だぁ！？てめえ」
「本家の奴らだな…。三代目はどうした！？」
三代目？あの人が…。
「いや…、あんなガキはどうでもいい…。回状は！？回状を見せろ！！ちゃんと廻したんだろーなぁ！！」
「…奴が書いたのなら破いちまったよ」
「んだとーー！？」
あの人が気を引いてくれてるお陰で気付かれずに、二人の元へ駆け寄れた。
「家長さん！花開院さん！」
「！Aさん！」
「待ってて。今ここを開けるから…っ」
「おう、嬢ちゃん。ちょいと下がってな」
突然現れた気配に驚く。が、その大男の妖怪？はガコォォンッと音を立て見事に籠をぶっ壊した。
そしてその場にもう一人いるのだが…。
え…。何で…？
何で奴良君の家のお手伝いのお兄さんが…？
てか、首浮いてるし。
気付かないお兄さんは二人に紐を持たせる。
そして私にもその紐を渡して来る。目が合うが、にっこりと微笑まれるだけだった。
「さ、Aちゃんも」
…え、どうしよう。
何か色々気付いてしまったんですけど。名前呼ばれたし。
奴良君の家って、まさかのまさか…だったりする？
難しい事は後回しにしようと、紐に手を伸ばす。
しかし、突然あの旧校舎の時の嫌な感じがした。
気付いたのは私だけだろう。
霧の奥、暗幕の影にいるのがはっきりと見えたのだ。
時間遡行軍がーーー
「ちょっ…！Aちゃ…」
「お手伝いさんは二人をお願い！」
「！？今…っ」
「後から追いますから！」
突然走り出す私を見ながら目を丸くする顔が見えた気がしたが、今は気にしてられない。
今は
時間遡行軍を追わなければーーー！！
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
