75.逃走 ページ46
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…よし、取り敢えず応急処置だけはしたけど、ちゃんとした治療しなきゃ駄目かなこれは。
ここに放って置く事も私には出来ないし、こんな山奥にいつまでも居るのは危険だよね。
さてどうしようと考えていると、「ん…」と怪我をした彼がゆっくりと瞳を開けた。
「あ、大丈夫…ですか？」
「…俺、は…ッいって！」
「じっとしていて下さい。怪我をしてるんですよ」
「俺は別にこれくらい平気、だ！…つか、てめえ誰だ。…ああ、人間か」
その話し方を聞く限りだと、どうやら彼は人間ではない。妖怪なのだろうと言う判断が出来た。
そして同時に首元に突き付けられた刀の意味も。
「何のつもりだてめえ。手当して恩でも売ろうってか？」
「…そんなつもりはなかったけど、気を悪くさせたなら謝ります。ごめんなさい」
刀を向けられながら頭を下げると、「…はあ？」と素っ頓狂な声が聞こえた。
実は内心、この刀もいつか刀剣男士みたいな付喪神になるのかな、とか考えてしまっていた事は秘密だ。
「……お前、名前は」
「…？名前なんか聞いてどうす……」
「いいから答えろ！斬るぞ！」
先程よりも近付く刀に目を遣りながら、私は名前を言おうとした。
その時だった。
ぞわりとあの嫌な感じがしたのは。
ハッとして彼の後ろの森の中を見ると、赤い光と銃の様なものが構えているのが見えた。
間違いない、あれは
「っ危ない！」
「！？」
彼をそのまま押し倒す様に倒れ込むと同時に、放たれた銃弾が髪の毛を掠った気がした。
気がつくのがもう少し遅かったらと思うと、鳥肌が立った。
あれは、私達の宿敵
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿時間遡行軍。
しかも…一体じゃない…！早くこの場から離れなくちゃ…！彼も私も危ない！
私は直様立ち上がり、持って来ていた札を空に翳す。
その札には“結”と書かれている。一時的に結界を張るものだ。
遡行軍の銃弾を跳ね返している間に黒いビー玉くらいの石を地面に投げつける。
するとそれが爆発し、黒い煙が辺りを占めた。煙幕だ。
「なッ！？」
「さ！この間に逃げるますよ！」
「…まさか、てめえも陰陽師か！？」
「…違うけど、ちょっとだけ似てるかもしれないですね。そんな事より逃げますよ！」
「は、ちょ、おいてめ…ッ！？」
彼の手を引き、私は距離を取る為に走り出した。
刀剣男士を呼ぶにしても、一時的な安全地帯を探さないと…！
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
