67.牛鬼という妖怪 ページ35
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なんだろうと不思議に思いながらその糸を自然に辿ると、骨を被った…女の子？ツインテールの子が木の上で糸を巧みに操っていた。
顔が見えないし、わからないけど、あの子が先生を操ってる？
なんで？
「梅若丸…。千年程前にこの山に迷い込んだやんごとなき少年の名…」
おっと、いけない。
気付かれても面倒だし。
それに、この『梅若丸』の話も気になる。
「生き別れた母を探しに東へと旅をする途中、この山に住まう妖怪に襲われた」
「ほう…。妖怪に…」
先生は話を続ける。
何故だろう。
私はこの話は本物であり、重要なものだと直感的にそう思った。
「この地にあった一本杉の前で命を落とす。だが、母を救えぬ無念の心が…この山の霊障にあてられたか、哀しい存在へと姿を変えた」
無念の、心…。
「梅若丸は“鬼”となり、この山に迷い込む者共を襲うようになった。その梅若丸の暴走を食い止める為にこの山にはいくつもの供養碑がある」
供養碑…。
そのひとつが、この梅若丸の祠なのか。
他のみんなはなんだ、ただの昔話じゃないかと口々に言った。
確かに、よくある昔話や妖怪伝説のようだったが、私はこれをただの物語だと決めつけてはならない気がした。
「あれ？信じてない？んじゃー、もう少し見て廻ろうか〜」
そう言い出し、歩き出した先生の後に続く。
あの祠から離れ、更に森の奥へと進んだ。
「主、あいつ…」
「一応、気付かないフリしといて。あっちに気付かれても面倒だ。警戒だけしとこう」
「うん、わかった」
乱君の視線の先にはあの骨の子。
糸で操ってるので、一緒に移動してるのが見えた。
うーん…別段悪い感じはしないけど、一応ね。
「すっごい霧深いなぁ…。全然晴れてたのに…」
「ん？何だこれ…」
霧が濃い中、巻さんは近くにある黒い何かに触れた。
「それは爪だよ」
「「爪！？」」
ニヤリと先生の視線の先には、爪やその爪の引っ掻き跡がいくつもそこにあった。
「ここは妖怪の住まう山だ。もげた爪くらいで驚いちゃ困る」
ぞくりと背筋が冷たくなる。
これは偽物じゃない、紛れも無い本物の爪だ。
「山に迷い込んだ旅人を襲う妖怪…。
名を“牛鬼”という」
「！」
『何を考えている、牛鬼』
あの夢で三代目さんが口にした名前だ。
そうか、あの人が牛鬼…妖怪なのか。
私は顔を上げ、山頂の方を見上げた。
霧が濃くてわからない。
だが
「ここにいるんだ」
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
