62.夢とババ抜き ページ29
夜の森の山頂。
雨が降り始め、ゴロゴロと雷も鳴り始めた。
霧も深い。
その山頂にある古びた社で、会話をする二人の姿が見え始めた。
一人は銀の髪を靡かせた紅い瞳の彼。
もう一人は長い黒髪を持った強い瞳の男。
『何を考えている、牛鬼』
牛鬼と呼ばれた男は、少し後ろを振り向いた。
二人はそのまま会話を続ける。
そして…
『…引き金を引かれて“その姿”に変わったのですか？』
『……』
『どの段階からです？夜だから？自らの意思で…変わられたのか？
聞きたいですな“______”』
.
そこで私は目が覚めた。
何とも言えない夢だったなぁ。妙にリアルだったし、未来予知の力だったりして。
…あの牛鬼って人、三代目さんの事を…。
牛鬼と呼ばれた人は三代目さんの事を名前で呼んでいた。
ただの偶然かもしれない。いや、この世に偶然など無い。あるのは必然だけ、と誰かが言っていた。
「まさか…本当に…？」
でもそれなら納得がいくかもしれない。
あの大き過ぎる屋敷にも、首無さんがいるのにも、妖怪がいるのにも全て説明がつく。
「…考えても仕方ないか」
言いたくない事の一つや二つあるだろうし、気付かないフリをしといた方が互いの為だよね。
でも、例えそうだったとしても
「私は君が優しい人だって事知ってるよ」
そう一人呟きながら壁に掛かっている青い羽織を見た。
.
「よし、洗濯物終了！手伝ってくれてありがと百合、堀川君」
「これぐらいとうぜんです！なんでもおっしゃってください！おてつだいします！」
「そうですよ！それに家事って楽しいですし、丁度いい気分転換になりました」
笑顔でそう答える百合と堀川君を思わず抱き締めそうになった。
可愛い…！
誰かがいるってこんなに素晴らしい事なんだ、ってつくづく思うよ。
「でも、あるじさま」
「ん？」
「あちらは…とめなくてよろしいんですか？」
「「あー…」」
百合の目線の先には、まんば達が物凄く真剣な表情でトランプをしていた。
「いいのいいの。あれが一番平和な決め方だから」
「だぁー！またババかよ！」
「……」
「ふふん♪和泉守ってチョロいよね〜」
「チョロいなら後藤も負けてないぜ？なあ？」
「はあ！？そう言う薬研こそ目線でバレバレなんだよ！」
「やった！ボクあといっちま〜い♪今回はボクが貰うよ！」
「乱兄強か！」
彼らは、私の合宿の護衛をババ抜きで決めていたのだ。
「あはは…確かに」
「へいわです！」
.
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
