【刀剣参戦編】薬研藤四郎2+？？？ ページ25
さっきの言葉は一体どういう事だろうか。
『心配されない』？
彼は唇を噛み締めると、何かを決心したのか顔を上げ、大事に抱えていた二本の短刀を私の方へ突き出した。
「こいつらを助けてやってくれねぇか…っ？」
辛そうに泣きそうな表情をしながら、彼は私の顔を見る。
何故急にそう言ってきたのかが分からない。助けるなら彼らの主、審神者がいるじゃないか。
「お前…」
「わかるはずだ。今俺が何を考えているのか、同じ“俺”なら感じてる筈だ」
「……」
分からない。
彼と薬研君。薬研君も確かに同じ薬研藤四郎。だからと言って考えがわかるかと言ったらそれはまた別だろう。
だけど、今この二人には何か同じものがあったのかもしれない。
同調する何かが。
「いきなり会ったばっかの奴にこんな事言われても無理なのはわかってる。だが…頼む！あんたのその強い霊力ならこいつらを守る事が出来る筈だ！」
「ちょ、ストップストップ！理由を話して欲しい！何があったか」
「…先に行っておくが、この二振は“何も知らない”。その事を理解した上で聞いてくれ」
その目は真剣そのもの。
知らない、他人の誰かにでも守って貰いたい程の理由が彼にはあるのだろう。
私達は場所を移す事にした。
あまり人に聞かれてもいい気分ではないだろう。
薬研藤四郎は一度深呼吸し、落ち着かせた後ゆっくりと口を開けた。
「…俺っち達の本丸は、今で言うブラック本丸だ」
「「「！！」」」
ブラック本丸。
性格の悪い、刀剣たちを使い捨ての道具としか見ていない審神者と、それでも呼び出された時点で契約を交わしてしまっているために審神者に逆らえずに苦しむ刀剣男士がいる本丸の事。他の例もあるが殆どがそれだ。
資料でしか見た事なかったがかなり多い。それだけは知っていた。
「この二振は今日顕現したばかりなんだ。だからまだ何も知らない内に他の本丸に預けようと思って…」
「飛び出した、って訳か」
「そうだ」
力強く彼は頷いた。
今日顕現したばかりと言う事は、本丸では今…考えるだけで恐ろしい。
「本丸を出た俺は霊力の強い人を探していた。そこで見つけたのがあんただ」
「私…」
「あんたの霊力が強い上に“別”の神の加護があるのがわかった。それに今日見ていたが、優しく刀思いなのもわかった」
え！今日あれからずっとつけていたって事！？
少し驚いてると、再びぐっと短刀が突き出された。
「もう一度、頼む。こいつらを守ってくれ…！！」
.
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
