Noside:黒い男と白い鶴 ページ21
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ひらりひらりと山吹の花弁が舞う。
そこは本丸、
そんな山吹の舞う中で、一人の男が佇んでいた。
黒い艶のある髪に、深い黒い瞳。紅色の着物に山吹の花が描かれた黒い羽織を纏っている。
「…もう、その時が近付いて来たんだね」
「主」
「鶴丸…」
呼ばれて振り返ると、そこには鶴丸がこちらを見ながら立っていた。
男でも惚れてしまいそうな顔で微笑む。
「そうか…。もう傷は大丈夫なんだね」
「ああ。この通り擦り傷すらないぜ！」
「それはよかった。……ねえ、鶴丸」
それだけ言った後、男は再び視線を山吹の花へと戻す。
笑みは消え、男は一点に集中してその場にしゃがんだ。
「来るみたいだ＿＿＿＿
「…だろうな。そんな気はしてたぜ」
「おや。戻って来たばかりとは言え、随分と鋭いじゃないか」
「それぐらい分かる。一体どれだけ一緒に戦って来たと思ってるんだ」
ややむすりと頬を膨らませながら、鶴丸は男を睨んだ。その言葉に男はクスクスと笑いを零す。
「そうだねえ。鶴丸とは長い仲…腐れ縁？みたいなものだし」
「はぐらかすのはいけないぜ？…率直に聞くが、身体はどうなんだ」
そう言われた男はやや眉を下げ、左手の手袋を外す。その手は真っ黒に染まり果ててしまっていた。
よく見ると、男の身体は殆どが呪いと言う穢れで染まっていた。
染まってないのは顔だけ。
それを見た鶴丸はあからさまに顔を歪めた。
「うん、中々ヤバそうだ」
「…笑い事じゃないんだが？はぁああ…姫もそうだが、どうして親子ってのはここまで似るものなんだ？」
「姫……Aは、元気にしていた？ちゃんと…笑えている？」
その時鶴丸は思った。
ああ、この男に姫を逢わせてやりたい、この男の顔を見せてやりたい、と。
少し笑いながら鶴丸は素直に答えた。
「ああ、仲のいい友人もいたよ」
「……そうか」
「…それに姫は一人じゃない。姫の刀剣男士がいて、俺がいて主がいる。大丈夫だ。
ちゃんと笑ってたぜ」
「…っそ、うか…！」
男の瞳からボロボロと涙の雫が溢れた。
それは悲しいからではない。
嬉しいからなのだと、この涙は自分の娘を想ってのものなのだ。
「(…ま！姫になんかありゃ俺がすっ飛んで行くつもりだしな)」
もう、
主と姫の未来は、俺達刀剣男士が守ってみせる＿＿＿！
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
