59.知れた事 ページ20
ごめん、と謝るとまんばは小さくため息をつく。
「…別に責めている訳じゃない。今度からは気をつけてくれ、と言いたいだけだ。あんたは俺達の主なんだから」
「うん…」
「…じゃ、帰るぞ」
「うん…って、このまま！？」
「？何か問題でもあるか？」
ありまくりだ。
本丸に着くまでこの状態は、流石の私でも恥ずかしい。それに申し訳ない。
だが、今何を言ってもまんばは聞かないだろう。
と言うか、まんば、少し天然要素入ってないか？
…諦めて、大人しくしておこう。
「首無さん、今日はありがとうございました。お礼はまた今度」
「彼も刀剣男士…みたいだね。なら、安心だよ。気をつけて帰ってね。あ！後、Aちゃんまだ熱あるから睡眠と食事をしっかりね」
「…わかった。主が世話になった」
首無さんから私の荷物を受け取り、まんばはスタスタと歩き始めた。が、三つ横の部屋を通り過ぎた途端。
「ん？おお！A君じゃないか！」
「…げ」
そこは奴良君の部屋らしく、見舞いに来たのか清十字団が勢揃いだった。
思わず嫌な顔をするが、皆にはバレていない様だ。
「何でAさんがいんの？てか！誰だよこの美形男！！」
「何々！？Aさんの恋人とか？」
「ま、巻さん…鳥居さん、違うから。あと、あまり大きい声で話さないでくれると…」
「丁度いい！今我ら清十字怪奇探偵団の合宿の話をしていた所だ！」
話を聞け！…って、声小さくて聞こえてないのか。
特に清継君の声、頭に響くから本当に止めて欲しい。
と思っていると、まんばがスッと皆から距離を取った。
「悪いが、今…Aは熱があるんだ。大きな声は控えろ。身体に響く」
「あ、はい…」
「熱あるの！？大丈夫？Aちゃん」
まんばの言葉で一瞬しーんとなるが、熱と言う単語を聞いた家長さんが駆け寄ってくる。
大丈夫、と返そうとするがまんばがまた距離を取る。
「早くこいつを休ませたいんだ。話は今度してくれ。…失礼する」
「あっ…」
ぽかんとした皆を背にまんばは気にした様子もなく、再び歩き始めた。
「…まんば、私は大丈夫だよ？」
「何処がだ」
「熱も下がり始めてるし、少しは…」
「完璧に治ったらな」
つんとしたまんばに抱えられながら、奴良家を後にした。
今日で更にまんばがどう言った刀なのか、知れた気がする。
心配症の過保護で、頑固。
そして、とても主思いの優しい刀である事。
…ちゃんと明日皆に謝らないとな。
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
