58.心配させるな ページ19
奴良君、大事にされてるんだなぁ。
いい家族だ、と思っていると突然鴆さんが吐血した。それはもう盛大にぶしゃあっと。
な、何事！？
「鴆様！」
「ぜ、鴆さん！？大丈夫ですか！？」
「ごほごふっ…ああ、大丈夫。いつもの事だ」
「まさかの日常茶飯事！」
血で汚れた口元を拭うと、鴆さんは立ち上がった。
そこで見えた時計の時刻は16時半。
「会議があんだ。俺は行くぜ。じゃーな、A。また会おう」
「は、はい…お気をつけて…」
にっと笑うと鴆さんは部屋を出て行った。それを私は茫然としながら見送る。
…え。
大丈夫か、マジで。また血を吐くんじゃ…。
「人の子にあんな感情表現をするとは…。鴆様に気に入られたかもね、Aちゃん」
「はあ…。そーですか？」
「リクオ様以外で楽しそうに話す鴆様、初めて見たかもしれないな」
Aちゃんだからかもね、とにこにこと笑いながら話す首無さん。
素直に喜んでいいのかわからない。
ん？今何時だって？
…16時半！？やば、連絡何も入れてない！早く帰らないと…！
そう思い立ち上がるが上手く立たず、転びかける。が、側にいた首無さんが受け止めてくれた。
簡単に言うと首無さんの胸元にダイブ状態。恥ずかしい。
「Aちゃん！大丈夫？」
「す、すみません首無さん…。私、家に帰らないと。連絡何もしてなくて心配させてるかもしれませんし…」
「確かにそうだね。…ここの電話使って連絡したら？ちょっと待っててね」
その数秒後、電話を持って首無さんが戻って来た。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
それを受け取り、前と変わった電話番号を打ち、誰かが出るのを待つ…と言うかかけた直後に繋がった。
《主か！？》
「お、その声は…まんば？」
《今どこだ！》
「え…奴良君の家に…」
そう答えた瞬間、ガチャンッと電話が切れた。
ダラダラと汗が流れる。
……物凄く嫌な予感しかしない。
「Aちゃん？」
「首無さん…。あのもしかしたら……」
「ある……Aッ！！」
ばんっと襖が開き、現れたのは先程電話したまんば。フードの下の顔からは安堵の表情が見えた。
来るの早過ぎか！
よかった、ちゃんと現代服着てる。
「大丈夫か……A」
「連絡出来てなくてごめん、まんば」
「無事ならいい。帰るぞ」
「え……わ！」
私はそのまままんばに抱えられ…所謂お姫様抱っこをされた。
「あまり心配させるな…」
ボソッと耳元で囁かれた声に、申し訳なくなった。
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
