57.鴆と言う妖怪 ページ18
ガチャーンッと何かが割れる音で目が覚めた。
そこで私はハッとする。
ここは…どこだ。
私は確か奴良君の家に来て……あ、倒れたのか。うっわ〜マジか私。
「と言うことは、ここは奴良君の家の一室で…」
「あ、Aちゃん！」
後ろの襖から首無さんが現れた。
持っているお盆には水の入ったコップと、薬らしき袋。
「首無、さん…」
「目が覚めたんだね。若菜様に呼ばれて見た時は驚いたよ」
「す、すみません…。ご迷惑をかけて…しまっごほごほ！」
「無理しちゃダメだ」
咳き込む私の背中を優しく撫でてくれる。そのお陰で咳が収まった。
コップと薬を有り難く頂き、再び私は横になる。
「Aちゃん、熱があったんだ。気付かなかったのかい？」
「熱…？」
道理で怠い上に世界が歪んで見えるはずだ。
薬のお陰か、先程より体が軽くなった気がする。これなら家まで大丈夫だろう。
「迷惑をかけてすみません…。もう大丈夫なんで、そろそろ帰ります」
「何を言ってるんだ。倒れたんだよ。もう少し大人しくしとくんだ」
「でも、私は…」
「また倒れられたりした方が迷惑なんだよ」
知らない声が聞こえて、聞こえた方を向くと一人の着物姿の男性がいた。
着物の隙間から見える刺青に何処か力を感じた。
「貴方は…」
「鴆だ。これでも医者のようなもんだ」
首無さんとは反対側に座った鴆と言う人。いや、妖怪なのだろう。明らかに纏うものが人とは違っている。
「お前さん、リクオの人間の友達なんだってな」
「鴆様！それは…」
「いいじゃねーか。どうせいつかはバレる。それに…あんた気付いてたんだろ。ここがただの家じゃねーって」
「まあ…なんとなく…」
その問いに私は素直に答えた。
薄々感づいていた。ここはただの家じゃない、妖怪の住む屋敷なんだと。
それに、首無さんがいる時点でそうだとは思っていた。
「…あんた、怖がらないんだな」
「今更ですし、昨日助けて貰いましたから。人と同じで、妖怪にも善い妖怪と悪い妖怪がいる事ぐらい知ってますし」
淡々と答えた私を見て鴆さんは目を丸くすると、突然笑い出した。
「はっはっはっ！まだお前さんみてぇな奴もいるとは、人間も中々捨てたもんじゃねえな！」
「ぜ、鴆様一応病人の前ですので、あまり大きな声は…」
「ちょっとくらい大丈夫だって！なあ、あんた名は？」
「AA、です」
鴆さんは何度か私の名前を繰り返した。
そして
「A。リクオを宜しく頼む」
「…はい」
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
