54.白が黒に ページ15
はらりと何かが頬を掠めた。
見ると、それは何度か見たことのある白色の桜の花弁。
とすると、ここは…鶴丸がいる夢の中、か。
けれど、いくら周りを見渡しても彼の姿はない。
そこで私はここで一番立派な桜の木を見つけた。そして、その根元に目的の人物を発見した。
が。
「あ、鶴丸……っ！！？」
「…ああ、君か」
「つる、まる…それ、何…？」
先程見たいつもの笑顔だ。
だが、明らかに異なる点を見つける。
黒い何か、シミのような痣のような黒いものが鶴丸の体を殆ど占めていた。
白いイメージだった彼が黒に染まり掛けている。
「鶴丸！それはどうしたの！？…まさか、私に憑依したから？」
「それは違う」
「…まさか、ずっと前から？」
「……」
鶴丸はそこで黙った。
ずっと前からあった？私に出会ったあの時からこの痣はあった？
彼に私は足を進めるが、それを鶴丸は拒む。
そして、その拒んだ理由がわかった。
「！これは…」
「近付くな！」
「鶴丸…」
「駄目だ…。こいつが君に戻ってしまう…っ」
痛いのだろう。苦しいのだろう。
額に汗をかきながら、鶴丸は苦しそうにそう呟く。
そう、私が彼に近付いた途端、その黒い痣はモヤとなって呻き、私に近付いて来たのだ。まるで、私に戻るように。
「…もしかして、それは本来私が持つものじゃないのか？」
「……」
「それから鶴丸が護っていてくれたんだね…」
「…これは君の体を蝕む毒であり、一種の呪いだ。今戻れば君が苦しむ事になる」
「なら、何でそこまでして…。自分が辛くなるだけなのに…」
そう言うと彼はふっと笑みを零す。
「君は、覚えてないだろうが…俺は君と昔、一度だけ会ったことが…ある…」
「え…？」
「まだ君は赤ん坊だった。その時に…わかったんだ。君の、中にも…呪いが宿ってしまった、と」
息が荒く、苦しそうにそう話す彼はどこか嬉しそうに見えた。
「そこで、俺の主…君にとっては父親か。彼が
『誰か一時的でいい、誰でもいい、この呪いを防いではくれないか』
とな。で、それを俺が請け負ったって…訳だ」
「私の…お父さんが…？お父さんも審神者なの？」
「ああ、凄い主だぜ。君の父親は」
今まで健康に過ごせたのは、お父さんと鶴丸のお陰だったのか。私は放って置かれた訳じゃなかったんだ…。そっか…そっか…！どうしよう、嬉しい…！
「げほっ…！」
「鶴丸！！」
酷い咳、酷い汗、酷い痣。
彼を治すには私の中に呪いを戻す必要がある。
……なら
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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません！発狂して見てくださってるんですか！？尊い！？神！？嬉しい言葉の連発をありがとうございます！続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (
レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます！いつも発狂しながら見てます！ほんと尊いです！そして蛍丸まで出してくださって！神！ありがとうございます！！！ (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか！？嬉しいです！！これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね！！これからも応援してます！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ！！尊い。更新楽しみに待ってます！ (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年12月29日 23時
