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44.再会からの目覚め ページ2

ふわりと何かが頰を掠めた。

薄っすらと目を開けるとそれは白い銀の花弁だった事がわかった。
それに何故だか少し硬くやや柔らかなものが頭の下に……


「よっ、起きたかい?姫」

「…?……!!?」

「驚いたか?」


突然目の前に現れたのは、この前夢で会った白く、金の瞳の彼。
どうやら私は彼に膝枕をされていたらしい。
かばっと勢いよく起き上がる。


「おっ、と。もう少しこのままでもよかったんだがなあ」

「え、な…。えっと、久しぶり?」


会うのは久しぶりだな!とにこにこと笑う彼。
何だか気が緩む。


「ここは…夢、の世界…であってます?」

「ま、そんなとこだ。所で…」


そっと手を伸ばし、頸の所を優しく撫でられる。


「殴られた様だが、大丈夫か?」

「!そうだ、私あの時気絶させられて…。あ、あの二人は!?」

「今んとこ無事だ。安心していい」

「そう…」


ほっと胸を撫で下ろす私を見て彼はふっと微笑んだ。
その顔に思わず見惚れる。

なんて綺麗で儚い神様なんだろうか。
…?何故神様と確定している?まだわからないのに。


私は彼に会ったことがある……?



「姫?どうした?」

「…何でもない、です。所で姫って何ですか。私は姫って柄じゃ…」

「俺()にとっては姫ってだけだ。気にしなくていい」

「はぁ…?」


腑に落ちないが、くすくすと笑う彼を見ているとどうでもよくなってしまう。
やはり何処かで会った事がある気がする。それがいつで何処だったか覚えては無いが。


「お?どうやら呼ばれているな」

「え?」


私の頭を優しく彼は撫でる。

温かくて大きくて優しい手を私は知ってる。
優しい笑みを私は知ってる。


「さあ、目覚めの時だぜ。姫、またな」


白い銀の花吹雪に包まれ、意識が浮上して行く感覚がわかった。


ああ、夢から覚めるのか…。

けど何故か彼とはすぐに会えると思った。



***


ずきりと首筋の痛みと誰かの声でで目が覚めた。


「あっAさん!」

「Aちゃん!!」

「花開院、さん…家長…さん…?」

「よかったよぉ!Aちゃん…!」


家長さんにぎゅうっと抱き着かれる。
それを受け止め、周りの状況を確認する。
ここはハムスターの籠の様な檻の中。奥の椅子に金髪の男が座っているのが見えた。

どうやら気絶させられた後、三人共ここに連れて来られた様だ。


「お目覚めかい?お姫さま」


その声に震える家長さんと警戒する花開院さん。




二人を守らないと…!!

45.救いの手→←43.旧鼠



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サヒア(プロフ) - 来霧さん» 返信遅れて大変申し訳ありません!発狂して見てくださってるんですか!?尊い!?神!?嬉しい言葉の連発をありがとうございます!続編に行きましたので、是非是非そちらも続けて閲覧して頂けると嬉しいです^ ^ (2019年8月15日 16時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - コメレスありがとうございます!いつも発狂しながら見てます!ほんと尊いです!そして蛍丸まで出してくださって!神!ありがとうございます!!! (2019年6月10日 22時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 来霧さん» 本当ですか!?嬉しいです!!これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします^ ^ (2019年6月10日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - ほんとにどんどん面白くなっていきますね!!これからも応援してます! (2019年5月28日 18時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
来霧(プロフ) - あぁぁ!!尊い。更新楽しみに待ってます! (2019年4月24日 8時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2017年12月29日 23時

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