41.夜の商店街 ページ49
…うーん、流石に言い過ぎた、かな?
あの後案内された部屋に戻ったが、気不味い空気が場を占めて居た。
先ほどの言葉のせいか。何処か重い。
花開院さんと清継君に至ってはかなり落ち込んでいるのが目に見えてわかった。
言い過ぎたけど、本当のことだ。
…けど、申し訳ない事をしたな。反省。
さて、どうしようか…。
そんな時、部屋の襖が勢いよく開け放たれる。
そこにはやたら頭が長い老人?がいた。
「おぅリクオ。友達かい」
「あっ」
「どうも。お邪魔してます」
奴良君のお爺ちゃん…だろうか。
不思議な空気を纏った人だなぁ…いや、人にしては頭が…。
「おーおー珍しいのう。お前が友達を連れてくるなんてな。飴いるかい?」
「あ、ありがとうございます」
差し出された飴を一つ受け取る。
「どうぞ皆さん、これからも孫のこと宜しゅう頼んます」
ペカーと笑う奴良君のお爺ちゃん。
いい笑顔だ。
頷き、そう思いながら貰った飴を口にする。
……まっず。
重かった空気はお爺ちゃんのお陰で晴れ、その日はそれで解散となった。
玄関であの金髪のお手伝いさんが陰から手を振ってくれたので、こっそり振り返して奴良君の家を出た。
****
あー、色々やっちゃったな。
明日謝ろ。
外はすでに暗くなっており、商店街の電灯の光が眩しく感じる。
食材の買い出しは済んだ。後は本丸に帰るのみ、と思っていた所に見知った後ろ姿を見つける。
あれは家長さんと花開院さん…?
「あ!Aちゃん」
「Aさん…」
「さっきぶり。二人共、この辺危ないから早く帰った方がいいよ」
「あの…Aさん」
「?」
「…さっきはすみません。私、修行まだまだや。本当にいると思ったのに奴良君に失礼なことしてもーた…」
ぺこりと頭をさげる彼女の頭を思わず撫でた。
それに驚いたように目を丸くする花開院さん。
「…うん、私も言い過ぎた。ごめん。でも、分かってくれて嬉しい。明日一緒に奴良君に謝ろ?」
「!うん!ありがとな、Aさん。何かAさんってお姉ちゃんみたいやなぁ」
「え。そ、そう?」
今まで言われた事ないから、ちょっと照れ臭いかもしれない。
家長さんも安心した表情をしていた。
安心したせいか後ろの人影に気付くのが遅れた。
「わっ、可愛い女の子が三人も!ひーろった!オレの店まで持って帰っちゃおーっと」
突然後ろに現れた白いスーツを着た男性。
この後あんな事になるなんて思いもしなかった。
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奥山乃愛(プロフ) - 出来たら全員出してほしいです……無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月24日 10時) (レス) @page38 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 牡丹さん» いえいえ、指摘して頂いて助かりました。ありがとうございます! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - CANさん» わかります!まんばは最高ですよね! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - すごく面白いです!あと、29の呪いの人形が呪いの人気となってます。いきなり指摘して申し訳ありません (2018年2月13日 16時) (レス) id: f8ceff626c (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - 切国ほんっとにカッコイイし可愛い!流石我の初期刀だわ!← (2018年1月23日 2時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2017年9月2日 21時