40.探索と阻止2 ページ48
花開院さんがまず向かった先は大浴場。
「大浴場…水場か…。奴良君、失礼を承知で覗かせて貰うわ」
「え！ちょっ…」
それだけ言い、奴良君の許可も取らずにズカズカと浴場に入る。
そして、勢いよく扉を開け放つ。
だが、そこには何もなく、普通の大きな大浴場だった。
…もし誰か入ってたらどうすんの。
てか、明らかに何かいたよね、今。
「ね？ホラ、いないでしょ？」
「いない…ですね」
いない事を確認した途端にはっとし、駆け出す花開院さん。
そこは他の何処より大きな扉。
だが、花開院さんは何の躊躇もなく開け放つ。
「ここからあやしい臭いがする！」
バァン！と開けられた先には金に輝く仏像がいくつも置かれていた。
一つ一つ細かく繊細に出来ており、とても大切なものである事がわかる。
「おー…凄い」
「金ピカの仏像が…」
「うん？この仏像…」
花開院さんの目に留まったのはひとつの仏像。
確かに何か気配は感じるな。
中にいるのか？それともこの仏像自体があれか？
「う〜〜ん…？」
「す、凄いでしょそれ。悪趣味だよねー。じいちゃんがさ〜。触るとじいちゃんに怒られるからさ、ね。ほら、何もないじゃない。戻ろうよ」
「そ…そうね…」
そう言って戻るなら私は別に何も言わずに置こうと思っていた。が、彼女はポケットから札を取り出し、仏像に貼り付けたのだ。
…ごめん、流石にこれは許せない。
全部許せる訳ないけど。
私は札を貼った瞬間にベリッと引き剥がした。
その行動に目を丸くする花開院さんと奴良君。
「ちょ…何するん！？何剥がして……」
「何するの、って？」
剥がした札をポケットに入れて花開院さんと向き合う。
私を見た彼女は少し肩を揺らす。
「自分も何してるかわかってる？」
「だ、だから、これは妖怪を退治する為の…！」
「だけど、妖怪なんかいなかった。なのに勝手に人様の家に妖怪の臭いとか、あやしいとか、失礼にも程があるだろ」
「…け、けど！」
まだ言うのか、この子は。
「…言い方がキツくなるけど、言わせて貰う。花開院さんは修行の身なんだよな？プロでもないのに勝手にこんな事していいのか？頼まれてもいないのに、家主の奴良君に迷惑だとは思わない？」
「…っ！」
「花開院さんだけじゃない。皆もだ」
私が振り向くとビクリと肩を跳ねさせる皆。
「今までの行動と発言思い出してみろ。失礼じゃないと言い切れるか？」
…ここまで言ったら流石にわかってくれるだろう。
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奥山乃愛(プロフ) - 出来たら全員出してほしいです……無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年12月24日 10時) (
レス) @page38 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 牡丹さん» いえいえ、指摘して頂いて助かりました。ありがとうございます！ (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - CANさん» わかります！まんばは最高ですよね！ (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - すごく面白いです！あと、29の呪いの人形が呪いの人気となってます。いきなり指摘して申し訳ありません (2018年2月13日 16時) (レス) id: f8ceff626c (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - 切国ほんっとにカッコイイし可愛い！流石我の初期刀だわ！← (2018年1月23日 2時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年9月2日 21時
