【刀剣参戦番外編】堀川国広2 ページ44
手入れ部屋に向かった私とまんば。
数時間の手当てが終わり、彼は…堀川国広は規則正しい寝息をたて眠っている。
一度私の審神者の力で人の身を与え、本体の刀と傷ついた身体を治した。
手入れには集中力と霊力を多く使用するので、中々疲れる。
「…はあ、初めてだったけど、上手くいってよかった…よし。一先ずはこれで大丈夫。後は眼を覚ますのを待つだけ」
「そうか…。あんたも、大丈夫か？兄弟は重傷だった。かなり疲れが出た筈だ」
「平気。これぐらい何ともない」
「………」
その顔は信じてないな。
よし、と少し勢いを付け立ち上がる。
「私は今からご馳走を作りに行かないとだから、夕飯が出来次第呼びに行くから、それまでは彼の傍にいてあげて」
「ああ、すまない…」
「いいって。じゃ行ってくる」
襖に手を伸ばし、開ける。
ふと私は思い出し振り返る。
「言っとくけど、まんばのせいじゃないから」
「！」
「自分をあまり責めないでよ」
それだけ言って今度こそ部屋を出た。
さて、と。ご馳走を作るとは言ったものの何を作ろうか。
豪華な感じがいいよね、やっぱり。
なんて事を考えながら長い廊下を歩いた。
＊＊＊
こいつと…兄弟とまた会えた時は素直に嬉しかった。また一緒にいられる。また一緒に戦える、と。
だが、兄弟はあの時突然顔を真っ青にし、ずっと同じ言葉を繰り返していた。
そう、
『兼さん』
と。
『兼さん』とは和泉守兼定の事だろう。兄弟の主だった土方歳三の愛刀で、兄弟の相棒。
早く和泉守兼定に会いたいからなのかと思ったが、様子が違った。
絶望した、何かを失った、そんな顔だった。
身体は傷だらけ。ガタガタと震え、何かに怯えているように見えた。
何が…誰が、兄弟をこんな風にした…！
意識を失った兄弟を見て、怒りが込み上げた。
だが、まずは安全を確保しなければと本丸に戻ったのだ。
「…ね、……ん…」
「！きょうだ……！」
「兼、さ…ん……」
「！」
「兼さ、ん…ごめ……ごめ、ん…なさ……い…」
「………」
「…ご、めん…な……さい……っ」
苦しそうにずっとそう謝り続ける兄弟。
…俺は和泉守兼定でもない上、写しだ。そんな俺に何が出来ると言うんだ？
苦しそうにしている兄弟を目の前にして、俺は何も出来ないのか？
「…くそっ…」
思わずそう呟く。
「…必ずお前を和泉守兼定に会わせる。だから、今はゆっくり休め」
頭を撫でながらそれだけ呟いた。
37.妖怪レクチャー→←【刀剣参戦番外編】堀川国広(+説明)
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奥山乃愛(プロフ) - 出来たら全員出してほしいです……無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年12月24日 10時) (
レス) @page38 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 牡丹さん» いえいえ、指摘して頂いて助かりました。ありがとうございます！ (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - CANさん» わかります！まんばは最高ですよね！ (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - すごく面白いです！あと、29の呪いの人形が呪いの人気となってます。いきなり指摘して申し訳ありません (2018年2月13日 16時) (レス) id: f8ceff626c (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - 切国ほんっとにカッコイイし可愛い！流石我の初期刀だわ！← (2018年1月23日 2時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2017年9月2日 21時
