29.日本人形 ページ32
そして、やって来てしまった放課後。
清継君の家の前まで来ていた。
私は勝手に団体化した清十字怪奇探偵団のメンバーにされていた。
理由がわからない。
何故私がメンバーに入ってる?
ああ…皆に連絡出来てないし。
少しくらい遅くなっても大丈夫…な筈。
「さあ!入り給え」
そう言いながら重そうなドアを清継君は開ける。
そこは何処かの資料館の様で、瓶や鎧や何かが書かれた石、巻物などが飾られていた。
「はぁ…」
「すげぇ…。ここ、清継君
「ふふふ…。ボクのプライベート資料室さ」
まさかあの趣味だけの部屋があるとは…。
どんだけ金持ちなの。
呆れて言葉が見つからない。
「超成金じゃないすか…」
「口を慎み給え!大学教授でもあるボクの祖父が使っていた部屋を丸ごと借りてるんだ。ま、その内ボクの資料で埋めて見せるさ」
即お祖父さんに返しなさい。
勿体無い。
何やら後ろで奴良君と及川さんが話しているが、内容まではわからない。
と言うか、二人共最近会ったばかりなのに仲が良いな。もしかして知り合いだったのか?
「さあこっちだよ。この日本人形なんだけどね…」
清継君に案内された場所に飾ってあったのは、綺麗な赤い着物を着た黒く長い髪のただの日本人形。
少し顔が怖いぐらい。
でも…、何だろう。さっきから何かが引っかかっる。
「ほ、本当に呪いの人形なん…?」
「信憑性は高いと思う。一緒に持ち主の日記が残ってるんだ」
「「日記?」」
あ、奴良君とハモった。
「読んでみよう」
清継君は人形の近くに置いてあった小さな手帳を取り、内容を読み始めた。
「二月二十二日…。引越しまであと七日。昨日、これを機に祖母から貰った日本人形を捨てる事にした。と言っても機会を伺ってはいたが、本当は怖くて中々捨てられなかっただけで。雨が降っていたが思い切って捨てた…」
捨てた…。
雨の中、捨てられたのか。この人形は…。
「すると今日、何故か捨てた筈の人形が玄関に置いてあり、目から血の様な黒っぽい…て、どおしたー!!リクオーーッ!?」
驚いてビクッと肩を跳ねさせながら振り向くと、何故か奴良君が人形にタックルしていた。
な、何をしてんの?
「貴重な資料にタックルかますなぁあー!!」
「はは…、ごめん!聞いてたら可哀想で!」
「んなアホな!」
ハンカチで人形の顔を拭く奴良君。
…奴良君、流石にそれはキツいんじゃないか?
もしかして、この人形…本当に……。
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奥山乃愛(プロフ) - 出来たら全員出してほしいです……無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月24日 10時) (レス) @page38 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 牡丹さん» いえいえ、指摘して頂いて助かりました。ありがとうございます! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - CANさん» わかります!まんばは最高ですよね! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - すごく面白いです!あと、29の呪いの人形が呪いの人気となってます。いきなり指摘して申し訳ありません (2018年2月13日 16時) (レス) id: f8ceff626c (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - 切国ほんっとにカッコイイし可愛い!流石我の初期刀だわ!← (2018年1月23日 2時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2017年9月2日 21時