19.戦闘 ページ21
暗闇の中でも見える不気味な紫色。
身体は禍々しい空気に包まれて居る。
角の生えた鬼の様な骨の化け物が刀を手にし、そこに居た。
時間遡行軍としか考えられない。
今居るのは三体…。
見た所、刀は打刀と太刀の様に見える。
けど、これ以上増えたら薬研君でも危ない。
「下がっててくれ、大将」
「でも一人じゃ…!」
「あの時、大将が言ってくれたじゃねえか。『私の護り刀』って」
「!薬研君…」
その言葉と同時にザァ…と桜の花弁が薬研君を包む。そして現れたのはあの戦闘服を着た薬研君だった。
手には短刀、薬研藤四郎が握られて居る。
「俺っちは刀だ。俺は薬研藤四郎、大将を護るためにこの力、使わせて貰うぜ」
言うが早いか、薬研君は時間遡行軍に向かって走り出した。
それを合図に相手も走り出す。
一体目が刀を薬研君に振り下ろすが、薬研君は素早くそれを避け、そのまま懐に入り込み、相手の身体に刀を深く突き刺す。
すると、ザザッ…と相手の姿が煙の様になり、空気に溶けて行った。
残り二体。
「凄い…」
あっと言う間に一体目を倒してしまった。
思わず私は戦う姿に目を奪われる。
一体目を倒した途端にもう一体が刀を振り下ろす。
薬研君はくるりとそちらに身体を向け、刀を受け止める。刃と刃が擦れ合い、火花が散る。
そんな時、私はある異変に気が付いた。
「もう一体は何処?」
三体いた筈の時間遡行軍。
一体目は薬研君が倒し、もう一体は今交戦中。
なら、もう一体は…!?
そこでまた私の頭に映像が流れ出した。
この映像では、もう一体の時間遡行軍は……
「大将!後ろだ!!」
私の後ろで刀を振り下ろそうとしているーー!
薬研君の声が聞こえたと同時に私は端に転がる。
ガァンッと大きな音と共に崩れた床。
もう少し遅かったら危なかった。
「大将っ!!」
「私は大丈夫だから!薬研君はそっちに集中して!」
体制を整え、薬研君に向かって叫んだ。
私をちらりと見た彼は小さく頷く。
あっちは大丈夫…。
さて、こいつはどうするか…。
相手はギランと目をこちらに向け、刀を構え直した。
今私は何の武器も持っていない。だが、相手は刀。
それにどう対抗するか。
まさか初戦闘が現代だとは思わなかったな。
薬研君が来てくれるまで時間を稼がないと。
でもどうすれば…!
【力を使いなさい】
「え…!?」
頭に語り掛ける様な、優しい女性の声が聞こえた。
「力…って…」
【分かる筈、貴方なら】
***
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奥山乃愛(プロフ) - 出来たら全員出してほしいです……無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月24日 10時) (レス) @page38 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 牡丹さん» いえいえ、指摘して頂いて助かりました。ありがとうございます! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - CANさん» わかります!まんばは最高ですよね! (2018年3月6日 1時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - すごく面白いです!あと、29の呪いの人形が呪いの人気となってます。いきなり指摘して申し訳ありません (2018年2月13日 16時) (レス) id: f8ceff626c (このIDを非表示/違反報告)
CAN(プロフ) - 切国ほんっとにカッコイイし可愛い!流石我の初期刀だわ!← (2018年1月23日 2時) (レス) id: 851af0ac90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2017年9月2日 21時