No.99 ページ34
模擬市街地に到着すると
『……うん?』
微かにガソリンの匂いを感じた。
気のせいかとも思ったが
障「……なんか匂う」
峰「オ、オイラじゃねえぞ!」
障「違う、……ガソリンのような匂いだ」
障子も複製した鼻をひくひくさせながら
そう言うので間違いないだろう。
上「どっかで交通事故とかの演習でもやったんじゃねえの?」
と、上鳴がそう言った直後
「きゃああ」「うわっ」
街の奥から叫び声が聞こえてきた。
慌てて
ビルとビルの間の道路を駆け抜け
その悲鳴がした方を目指す。
街の奥へ進むほど
段々、ガソリンの匂いが濃くなっていく。
切「っ……なんだよ、あれ……」
先頭を走っていた切島が
立ち止まってぼそりと呟く。
その視線の先には
『…！？？』
街中にぽっかりと巨大な穴が開いていた。
その穴の中央だけ細々と地面が残されており
そこには四角い檻のようなものが置いてある。
檻の中には
「お茶子ーー!!」
「焦凍……っ」
「天哉……!」
「出久……!」
と、叫ぶクラスの連中の保護者の姿があった。
麗「父ちゃん!?」
慌てて穴の淵に駆け寄る麗日。
麗「っ、くさ……っ、ガソリン……!?」
そう言われて穴を覗くと
穴の奥深くにどろりと澱んだ液体が見えた。
切「なんだよ、これっ? なんで親があんなとこ……」
上「つーか相澤先生は!?」
｛相澤先生は、今頃、眠っているよ。暗い土の中で。｝
上鳴の言葉に応えるように
機械的な声がどこからか聞こえてくる。
(…敵か!? 一体どこに!!)
咄嗟に両手をポーチに突っ込んで周りを見渡す。
葉「暗い土の中って……」
芦「相澤先生、やられちゃったってこと……?」
上「嘘だろ! なんかの冗談だろ!? もうエイプリフールは過ぎてんだぞ! つーか、お前誰だよ!? 姿を見せろ!」
｛騒ぐな。冗談と思いたいなら、思えばいい。だが、人質がいることを忘れるな。｝
出「人質……」
辺りの様子を伺うが気配はない。
障「違う、この周りじゃない。声はあのおりの中からだ」
｛その通り。ボクは此処にいる。｝
その障子の声と同時に
檻の中の保護者の後ろから
背の高い黒いマントの人物が現れた。
その顔は黒いフルマスクをつけていて
表情が全く読めない。
しかし
全身に重くのしかかるような殺気を
こちらに向けている。
檻の中の人質はざっと数えただけでも20名。
相手はいつでも人質に危害を加えれる距離にいる。
(くそ、最悪な状況だな、…うん)
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たいやき(プロフ) - ミリアさん» コメントに気づかず、返信遅れてすみません!応援ありがとうございます!こちらは更新ゆっくりになりそうですが、頑張ります!! (2018年2月18日 0時) (
レス) id: 106da89505 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく面白かった作品で大好きです続きがすごく楽しみですこれからも体調に気をつけて更新頑張ってください応援してます (2018年2月9日 20時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2018年2月3日 21時
