No.80 ページ15
『世話になったな、旦那!!』
長かった職場体験も終わり
オイラは戦闘服を抱えて
事務所の前で旦那の方を振り向く。
サ「ふん、最後までお前の芸術とは相容れなかったな」
戦闘しながら
どちらが本当の芸術か、論争を繰り広げていたが
結局、オイラも旦那も譲らなかったため
決着はつかなかった。
『ったく、美しく儚く散っていくのが芸術だってのに、うん』
サ「あんな爆発が芸術だと…。いいか、デイダラ、芸術ってのは永く美しく後々まで残っていくもののことを言うんだよ」
『馬鹿いっちゃいけねぇ、芸術は一瞬の美だ!』
サ「いーや、永久の美こそが本当の芸術だ!」
そのまま2人で睨みあう。
『旦那が何を言おうと、オイラにとっての芸術は爆発だ!うん!』
サ「てめぇは俺を怒らせてぇようだな!!」
『ふん!旦那とはもうコンビを組んでねぇからな』
『いくら旦那が怒ろうがオイラには関係ねぇ!』
勢いでそう言ってしまってから
突然、激しい虚無感がやってきた。
『…大体、旦那はオイラなんかどうでも良いだろ』
『いっつもオイラより先にいっちまいやがって…』
九尾達とやりあった後
茂みに隠れて様子を窺っていたときのこと
穢土転生で復活してから
旦那が作った傀儡の中に閉じ込められたときのこと
旦那に置いてかれたときのことを思い出す。
なんだか旦那の顔を見ていられなくなって
思わず下を向いて地面をじっと見つめる。
すると
旦那の手が顔に近づいてきたかと思ったら
グイッと顔を無理やり上げられ
『いててて!!』
容赦なく両頬をすごい力で抓られる。
サ「なにしけた面してんだ、デイダラ」
サ「お前も芸術家かたるんなら分かってんだろ」
『……芸術家ってのは孤独だ』
サ「分かってんじゃねぇか」
『べ、別にオイラは、孤独ぐらいなんともねぇ!』
『旦那がいなくってもなあ!全然!』
と、一気に旦那にまくし立ていたら
サ「話は最後まで聞け」
『いててて!!』
再び、両頬を抓られる。
サ「芸術家は孤独なものだ」
サ「オマケにお前とは芸術に対する価値観も正反対だしな」
と言われ、再び下を向きそうになるが
サ「だが、真の芸術を追い求めるって点では、俺とお前は繋がっている」
この一言で
ばっと旦那の顔を見上げる。
サ「俺とお前が芸術家である限り、その繋がりが切れることはねぇ」
サ「わかったか、デイダラ」
『…おう!』
『オイラたちはずっと芸術コンビってことだな!うん!』
そう言うと
サソリの旦那は満足そうに頷いた。
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たいやき(プロフ) - ミリアさん» コメントに気づかず、返信遅れてすみません!応援ありがとうございます!こちらは更新ゆっくりになりそうですが、頑張ります!! (2018年2月18日 0時) (
レス) id: 106da89505 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく面白かった作品で大好きです続きがすごく楽しみですこれからも体調に気をつけて更新頑張ってください応援してます (2018年2月9日 20時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2018年2月3日 21時
