十五、 ページ16
あぁ、せっかくのお泊まりを台無しにしてしまった。
冨岡さんはきっと私を心配して言ってくれたのに、ついカッとなってしまった。
部屋に戻りにくい。どうしよう。
「おやおや、先程のお客様ですね。何かご用でしたか?」
フラフラしていると旅館の方がいた。
「あっすみません。ちょっと旅館を探検したいなぁ〜なんて、アハハ〜」
いや、言い訳きついだろう。
あ、そういえばここ鬼の出る旅館じゃん。←
この人に何か聞いてみないと!
『ちょうどよかった!少し話し相手になってもらえませんか?彼、お部屋でお昼寝始めちゃって、』
「あら、まぁ。かまいませんよ。」
『こんなこと聞くの失礼かもしれないんですけど、この旅館ってその、曰く付きといいますか、なんかあるんですか?』
「あぁ、何だか変な噂があるそうですね。でも、大丈夫ですよ。噂は噂なので。」
『そう、ですよね!いや〜失礼しました!』
これ以上は聞けない雰囲気になってしまったァアア!
いや、正直に鬼がいるか聞いちゃう?
う〜〜〜〜ん。
「あ、危ないですよっ」
ん?
『っ!!!!!痛っ!!!!』
考え事をしていたら柱にあたるというベタな行動を起こしてしまった。恥ずかしっ!
「あら、いけない、おでこから少し血が...さぁ、手当てを致しますからこちらへ」
『すみませんねぇ、』
そう言って彼女が誘導する先は地下だった。
あれ、これ怪しくない?え、大丈夫?
今、刀持ってないけど!?
『あっあの!これくらい全然大丈夫なので!!部屋に戻って自分でやりますよ!」
そう言って戻ろうとすると腕を掴まれた。
「いえ、大切なお客さまですから。」
いやいや、なんか意味違って聞こえてきますけど!?大切な食糧に聞こえるんですけど!!しかも力強くない!?おいくつですか!!!
ぐいぐい引っ張られて終いにはある部屋に放り投げられた。はい、完全黒です。
『あなた、もしかして』
「奥様。お持ちいたしました。どうぞお納めください。」
そういうと鍵の閉まる音と同時に奥から不気味な女の鬼が現れた。
やっぱり!!あの人は鬼の支配下にいたのか!
どうしよう、刀がないっ!!
「んふふ、見たわよ〜あなたの恋人。なかなかいい男ね。さぁ、あなたの死体をみたらどんな反応するのかしら。」
ああっ、どうしようか。冨岡さんっ!!気付いてっ!
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美穂(プロフ) - また更新されるのを楽しみにしてます! (2021年3月7日 22時) (レス) id: 180cfbbdac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいやき。 | 作成日時:2020年5月12日 3時