猗窩座になってるなんで【煉獄杏寿郎】

５ 犬→猫 ページ5

 

｢ありがとうございました。何かお礼を…｣

｢いえ、あ、それなら猫が食べる物が欲しいです｣

｢猫？｣


そう言って足元の、猫になった猗窩座を見る


「可愛い、待っててね、何か持って来る」


やっと笑顔になり小走りで行った


｢可愛いって。良かったですね、猫座さん｣

｢勝手に変な名前付けるな｣

｢気に入りませんか。戻ったらちゃんと猗窩座って呼びますから｣

｢ちっ｣


なんだかんだと意外と従順だ

狛犬なんだよね、このコスも狛犬っぽ。可愛いと思う

猗窩座が人間の時の名前が狛治で、
師匠慶蔵に｢狛犬の狛だ、お前は守るものがないとダメなんだ｣って言われて。

狛治の時はお父さんや愛する恋雪を守ったけど守れなくて・・

鬼の始祖 鬼舞辻無惨が猗窩座と付けたけど
漢字の意味が去勢された(役たたずの)狛犬とか、ググったら切ない名前だった・・

犬から猫になるのもいいんじゃないかな、忠犬から自由に生きな、猫座！


……元通りになる日が来るんだろうか


しばらくすると娘さんがたくさんの食べ物を持って来てくれた

猫座さんは、雑炊のような混ぜ混ぜご飯をカッカッと機嫌良く食べてる

猫になったら人間食べなくて済んだ、良かった。いろんな意味でホント良かった

わたしにもと持って来てくれたのだがどうも受け付けない

ニンゲンを食べるしかないのだろうか…

でも娘さんを見ても食べたいと思わない


「フフ、可愛い。飼いたいな」


猫座さんを飼う？

猫座さんを見ながら、それいいかもと思う

食料を探す手間も省けるし居場所も明確だ


｢猫座さん、飼ってもらったらどうでしょう｣

｢なぜ俺が人間に飼われなきゃいけないんだ｣


いま猫ですから


｢可愛い声。にゃーにゃーってお話してるみたい、猫ちゃん、お家来る？｣


にゃーにゃー…？

娘さんには言葉に聞こえないんだ
 

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