煉獄サンタ寿郎【煉獄杏寿郎】 (ページ7)

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部屋はエアポートビューで都会の夜景とは違った魅力がある。   

「ずっと見てられる」  

窓から見える夜景を堪能する。  

「む、俺より航空機か」

   窓にへばり付き自分のそばに来る気配がない様子に困惑する。

  ｢当初、君の気を引くために空港を選んだんだが、裏目に出たか｣

  壁にもたれ腕を組む。   

「A…」   

「…ん」

   夜景を見ながら若干の生返事。    

「こっちにおいで」   

低い声に乗ったその言葉に反応し、杏寿郎に顔を向けた。

綺麗な緋色の瞳と視線が絡む。

Aを見据えたままシャツのボタンをひとつ片手で外す。着ているジャケットを脱ぎ置くとゆっくり歩き出した。

｢おいで」と言った言葉とは反対に自身がAに近づく。薄く口角を上げて口元に笑み。妖艶で自信に満ちた顔。    

この男は  恋人が自分のどんな言葉を、表情を、仕草が好きなのかをちゃんと知っている。

   「…シャワー…を   

行こうするAの腕を掴む。  壁に追い込み手首を貼り付けた。   

エレベーターの中の再現のように唇が触れるか触れないかの距離。  違うのは脚の間に杏寿郎の硬い膝が割入れられていた。   

「やはり虫が付いてくるな」

   大腿を突き上げられると付根の中心が刺激される。   

「…っ」    

「あの男に興味が？」

   割り入れた太腿をぐっと押し付ける。

   ｢…っ…そん…な事…ない、先輩は…っん…｣

   言い終わる前に唇が重なる…いつもより荒々しい。

  「別に『先輩』とは言っていないのだが」

   一回離れ、今度は分厚い舌が下唇を端から端へ、上唇に上がりゆっくりと廻り濡らしていく。   

「なぜ『先輩』が出てくるのだろうか」  

問いかける度に離れ、また重なる。噛みつくように唇を塞いだ後、わずかな隙間から侵入してくる熱いモノ。口内の空間を埋め尽くすように纏わりつき、廻る舌に意識が翔ぶ。

  どれくらいの時が過ぎたのか、長い濃密な時間が終わり唇と舌が解放された。  

Aの火照った顔に杏寿郎が唸る。   