そばに 3【煉獄杏寿郎】

40 噂 ページ40

 


世界の全部が素敵に見える

バラ色の世界とはこういう事を言うのかと実感していた

これを言った人は薔薇が好きなんだと思う。自分なら杏子、いや、実はコスモスが好き。もっと言えば花より団子でコロッケが好き。コロッケ色の世界……ちょっと違う気がする。そうだ、杏寿郎との東京デートは銀座の煉瓦亭でコロッケ食べ行こう



「えらくご機嫌だな」


音カンのいい宇髄さん、なんとなく面倒なので軽く会釈しそのまま通り過ぎようとした。ただし顔は締まらず


「結構、噂になったな」


噂に…もう…？ 顔が緩む


「そんなに嬉しいか」


我慢せず満面の笑顔を見せびらかした


「それは良かったわ」





その後も

「四季風さん、ウワサ本当？」聞かれ

「ええ、まあ」と順に答えて言った



炭治郎と善逸と食を摂ってる時

「A、すごい噂になってるよ…」

「広がるのが早くて困っちゃう」

全然困ってなくむしろその逆で。
顔を赤らめてると何故か二人とも不思議そうな怪訝そうな顔をしてくる


「なんの顔？」

「えだってA、煉獄さんの事好きだと思っていたから」

「そうだよ」

「……」


「だからなんの顔！」

「なんで宇髄さんと付き合ってるのかなって」

「どゆこと？」

「宇髄さんと付き合ってるって噂になってるよ？」

「な？なんでっ‼︎杏寿郎じゃないの⁉︎」

「宇髄さんだよ」


ガタっ


「あ、A⁉︎」

勢いよく立ち上がり宇髄さん目指して駆け出した




「宇髄さん！」


「なんだ、そんなに俺に会いてーの」

「違くて！噂が！」


「あー、喜んでたやつな」

「カン違いで！なんでこんな噂に⁉︎」

「俺と付き合ってるってお前が言ったんだろーが」


あ…鹿鳴館のやり取りだ


「確かに言いましたが…訂正しといて下さい」

「めんどくせーな」


「煉獄さんの耳に入れたくないんです！」

「それは無理だな。噂をすれば…」


顎でクイッと指す
指された方からゆっくり歩いてくる私の恋人
 

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