そばに 3【煉獄杏寿郎】

22 炎柱稽古・隊服の ページ22

 



「…手…痛い…」


潤んだ瞳で苦しそうに切なく言う

自分が男だったら襲ってるなと思いながら

力を緩める


途端、指を絡め取られた。Aの目の色が変わる


え。と思った時には遅かった

指が締まる

今度は本田の顔が歪む


身体を反り引き剥がそうとするが離れない

さらに締まる


「っう…く」


馬乗りになってる本田が顔を歪ませる



「…こいつら…何を見せてんだ」

再度つぶやく音柱



本田が悶えてるぞ！浮世絵だ！

色づいた場面にモブが興奮する

そんな男子を女子が、変態、最低と抗議した



指がきつく締まっていく

千切れる、指が…砕ける



「そこまでだ」

その声でゆっくり指が解けていった


やられた…可哀想と思って緩めてしまった

あの顔に騙された




立ち上がると、炎柱が腕を組み仁王立ちで横にいた



「スカートは駄目だ」

「なんで」


「なんでもだ」

「なんでもダメって言う。ダメ寿郎」

「む」


「丸見えだろう。今のように倒されたらどうする」

「見せパンだからいいんだよ」


「なんだそれは」

「見えてもいいやつだよ」


「見えてはダメだろう」

「いいの、それに寸止めだったから倒されたんだよ」


「君は、考えが甘い」

「大丈夫だって」


「それでは俺が相手だ、いくぞ」

「や、それはムリだって」



追いかけっこが始まる


竹刀を振り回しながらなのでいつもより捕まりにくい


それでもやはり竹刀を掴み取られ

さっき本田にやられたように

手首を掴まれ地面に押し倒された


炎柱のその動作と姿に今度は女子がザワざわと落ち着きがなくなる



「簡単にこうなるのが分かったか」

馬乗りになってる杏寿郎が言う


「杏寿郎が強すぎるんだよ」

「長崎少年にこうされてもいいのか」



倒された近くに流星がいた

その他と取り巻き女子が側にいる



流星を上目で捕らえ

鋭い視線を差し込む炎柱


刹那、息を呑むが負けずに見返す流星


妖艶に笑う口元に圧されそうになりながら

まるで、この女は俺のだ手を出すな と言われてるように


その他は固まり、取り巻きらは若干顔を赤らめる



「よくない」


目線をAに戻し


「その通りだ！偉いぞ！正解だ」

「うん！」


「スカートはやめだ」

「それはスカートでいい」


「まだ言うか。これで済むと思うのか」




 

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