3 槇寿郎と父 ページ3
全初任給を使い借金してまで買った物を見せろと父に言われ2個の杏の置物を指した
「おまえは杏寿郎くんが好きなのか?」
「ええ!兄にも言われた。なんでっ」
「この部屋を見れば分かるだろう。まあこれだけよく杏を集めたもんだ」
金銭感覚といい、商才がないな。長男でなくて良かった
「この借金杏などまさに杏寿郎くんの色彩だ」
「……」
「どうしたんだ?」
「……結婚するんだって」
「……そう、なのか」
驚いた。そんな話があったとは。Aは今にも泣きそうになってるが…。
「まさかと思うが行方不明の原因はそれか?」
「……」
「そうか」
杏寿郎くんの事は残念だが仕方ない。だが衝動的過ぎる
「A、落ち込むな。父がもっといい男を見つけてきやる」
「杏寿郎よりいい男なんかいない」
俺もそう思う
「鬼退治が完全かつ最終的に完了したら尼になる」
「こら早まるな!冗談だよな」
あながち冗談ではない目をしているんだが。この思い付きの行動、可哀想な事だがますます長男でなくて良かった。
…………………
「いい身分だな。槇寿郎」
幼馴染の呼びかけに寝転んだまま見上げる
「おまえが羨ましい。奈落に落ちてまで杏寿郎という素晴らしい青年に尊敬されているんだからな」
縁側に腰を下ろす
「俺も昔は尊敬していたがな。それ程素晴らしい人物だった」
「ふん、くだらん」
体を起こし一合徳利をそのまま口につけ酒を飲む
「下品極まりない。よくもまあ息子たちは品良く育ったもんだ。瑠火に感謝だ」
「何しに来た」
「杏寿郎や千寿郎を無くしてしまうのが怖いんだろ。鬼殺入隊を断固反対している理由もそれだな」
カッと目を見開き徳利を投げつける
「本当にゼロか百の男だな」
「お前を呼んだ覚えはない、帰れ!」
「そういうところだ、槇寿郎。プライドが高いくせに繊細」
割れなかった徳利を拾う
「俺だってAを無くしたくなどない。自慢の娘だぞ。どこへ連れて行っても褒められる。剣士にならなくともと何度思ったか」
徳利を縁側に置く
「おまえはやり方がまずい。不器用なんだな。はは」
「ぐぬ、、帰れ!もう来るな!」
「まあ俺が言いたのはだな、杏寿郎はお前の強靭な肉体と、瑠火の強い意志を受け取り、それらを形成し得る秀抜した器を生まれながらに備え、全てを見事に超越した人間だという事をお前に言いたい」
「うるさい」
「長すぎて理解できんか。つまりは心身ともに超最高級の人間だと言っている」
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りた(プロフ) - 結城さん» こちらの方も読んで頂きありがとうございます!とても嬉しいコメントを頂きありがとうございました!キュンキュンして頂けるように頑張りたいと思います! (2021年12月6日 0時) (レス) id: 758a244466 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 1からやめられず一気読みしてしまいました!焦ったい2人の恋にキュンキュンでした…! (2021年12月5日 5時) (レス) @page35 id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
りた(プロフ) - こんばんは!読んで頂きありがとうございます!こちらの方こそとても嬉しいコメントをありがとうございました!更新頑張りたいと思います! (2021年12月3日 0時) (レス) id: 758a244466 (このIDを非表示/違反報告)
とらねこ(プロフ) - こんばんは。更新ずっと待ってました!ありがとうございます^ ^ (2021年12月2日 18時) (レス) id: 76483924bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りた | 作成日時:2021年8月23日 1時