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45 理由・リスペクト ページ45

 .


「A!」

「杏寿郎…」

「なんだ、元気がないな どうした」

「どうもしない」

「どうもしなくはないだろう、言ってみろ
 誰かに話せば楽になる事もある」


自分には皆の様に強い思いがない
こんな事で人々を守れるのか
足手纏いになって誰かを犠牲にしてしまう
のではないか。このまま続けていいのか

思っている事を話した。

腕を組み 私を見下ろし じっと聞いていた杏寿郎が言う


「ふむ、今更だな。誰かに言われたのか」

「言われたんだけども、自分でもそう思う」

いろいろ悲しくなり下を向く


「人に言われた事など気にするな
Aの事を知らない者の言う事など放っておけ」



「顔を上げろ、俺を見ろ」


腕を解き、頬に手を添え顔を上げる


「A、君が任務の度、傷を作って帰って来るのを知っている

血を流し人々を守り鬼と闘っている君を見た

命を懸けて人間を守り鬼と闘う者は
誰がなんと言おうと鬼殺隊の一員だ!

俺は君を認める」



杏寿郎のこの言葉に胸の中の暗く重い塊が一気に弾けていく



「四季風の家は煉獄家と同様、鬼狩りの家として、戦国の時代から産屋敷家に仕えている

その身体に四季風の誇り高き血が流れているのだ

脈々と受け継がれるその血を誇りに思え

胸を張れ!

生まれ持った剣士の才をここで使わずしてどこで使う」



見上げたまま泣いて頬を流れる涙を親指で優しく拭い取る


「何度でも言おう、俺は君を認める

柱であるこの煉獄が言うのだ。自信を持て」


力を込め、大きくうなずく


「よし!鍛錬を兼ね屋敷まで走るぞ!
 俺に続け!」


「はい! 炎柱様!」


その呼び方に顔だけをこちらに向け
片方の口角を上げ笑う



カァー

杏寿郎の鎹鴉、要が任務の行き先を告げる

走りかけていた杏寿郎が立ち止まり
振り向き正面に立つ


「時間だ、許せA、また今度だ」


空気が熱く重くなり緋色の瞳が炎に変わる
大きな手が頬を包み込む



カァー

続いて自分の鴉、カラも任務を告げる


「私もだ」


「A もう大丈夫だな」

炎を纏った瞳のまま 優しく言う


「忘れるな、君にはこの杏寿郎がいる

君がくじけそうな時 傷付いた時は必ず俺が手を差し伸べる

どんな時でも俺は君の味方だ」


言葉が心に沁み、そして震える
この人の幼馴染で良かったと
また思う


「同じ方向だが俺は先に行く
 気を付けて行け!」


ありがとう!杏寿郎も気を付けて!
半分も言い終わらない内その背中は見えなくなった


 

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:りた | 作成日時:2021年4月18日 3時

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