26 月光・手当と戦況報告 ページ26
「……っつ、…」
「沁みるか、少し我慢しろ」
いろいろ我慢できないでいる
「自分で出来る…」
「終わったぞ、次は腕を見せてみろ」
本当に人の話聞かない
「むー」
袖をめくり上げ、丁寧に塗ってくれる
月の明かりに照らされた杏寿郎の顔
とてもキレイで見惚れてしまう
自分でやると言いながら
こうやってやられるがままになってる
自分の肌に触れる 杏寿郎の手に
ドキドキしながら…
「脚を見せてみろ」
「脚?……脚は いい」
「よくないだろう」
「やだ。 変態」
「な、変態とはなんだ」
「まあ いい、 脚はいいから
背中を見せてみろ、着物をずらせ」
「むー」
「さっきから君は何を言ってる」
禰豆子のモノマネが気になるようだ
なんかどうでもよくなってきた
余ってる裾の一部で前を隠し
投げやり気味にずらした
露わになった背中
月の光が白い背中に反射し
蒼白く妖しく光る
「これは、…まずい」
しばらくの静寂の後
下ろした着物を元通り肩までかけた
「塗ってくれないの?」
「胡蝶に塗ってもらえ」
「なんで」
「なんでもだ」
「むー」
・・・・・・・・・・・・・・・
「君は綺麗な字を書くな」
書いてる所をじっと見てくる
報告書を書くのを手伝って貰っているのだがとてもやりにくい
本日の戦況を絶対的存在である上官の炎柱様に報告する
「戦う状況によってそれなりの戦略がある
教育訓練で講習を受けただろう」
「その通りにやったんだけども
猪が猪突猛進して、人がワーってなって
ガーってなったんだよ」
「…君の説明は甘露寺と同じだな」
書き終わった報告書に目を通し
「うむ、よく書けてる!
あの語学力で大したものだ、感心感心!」
言って頭を撫でられる…のだけども?
「どうする、ここで寝るか」
「家に帰る」
「送っていこう」
「すぐそこだからいい」
「そこだから気にする事はない」
送ってもらう
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作者名:りた | 作成日時:2021年4月18日 3時