おみくんと年越し

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早く仕事を終わらす、とは言っても
順番待ちだからすぐに帰ることは不可能で
結局自分たちの番が終わったら
お互い、愛車かっ飛ばして舞浜へ到着した。





「人すげえな...」


「さすがディズニーだね。
　あのふたり見つけられんのかな」



ワールドバザールに入る手前で
あまりの人の多さに立ち尽くす俺ら。

年越したっていっても人は変わらずに多い。


一応念のためって思って
サングラスにキャップ被ってる。

でもみんな現実を忘れてるから
俺らがいるのなんて分かるはずがない。

だって誰一人こっち見ねぇもん。



「とりあえず行くか」


「あ、ねえねえ、おみ」


「何だよ」


「一応手...繋いどく？
　離れたら元も子もないじゃん」



自分の手をパタパタさせる隆二。

......それは何の一応？
お前が寒くて繋ぎたいだけじゃねぇの？



「遠慮しとく」


「えー、おみなんで」


「何でじゃなくて！行くぞ早く」


「あ♡今のおみ格好良かった♡」


「バカか」



人を掻き分けて進む俺の後ろを
ずっとくっついてくる隆二。

何で歩美ちゃんの前だとあんなに
男前なのに俺の前だとこうなる？

ギャップありすぎだろ。って
後ろのやつに心の中でツッコんだ。



「俺的にはねー
　可愛い街にいそうな気がする」


「可愛い街？トゥーンタウン？」


「そうそれ」


「行ってみっか」



トゥーンタウンを目指す俺ら。

ディズニーなら俺に任せて♡って
言うから着いて行った。




「え、こっちじゃなくね」


「あ、間違えちゃった」


「あのさ、俺らの目的分かってる？
　ただディズニー遊びに来た訳じゃねえの」



何故かメリーゴーランドと
ダンボの前にいる俺ら。

完全に来る方向間違えた。



「分かってるって！あ、あれ乗ろうー」



こっちは早く見つけて
Aに会いたいっつうのに...

まさかのダンボの最後尾に並ぶ。



「これこそ本当にやべえだろ」


「そうかな？でもみんな乗ってる」


「いや、乗ってる奴ら見てみ？
　みんな子供だぜ？
　大人乗ってたとしても男ふたりは無い」



並ぶのをやめようとしても
左腕をぎゅっとつかんで離さないこいつ。

力だけは強いから困る。


仕方なくダンボに並んで乗った。

いつぶりだろ、マジで。



「......いい加減行くぞ」


「あれ面白かったね」


「....」



精神年齢いくつだよ！！！！



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