おみくんと年越し

＊ ページ15

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「あと少しだな」



「そうだねー。あっという間！」



時計を見ればあと少しで年を越す。



「今年色んなことあったね」



「そうだな。

　隆二が結婚したのが意外過ぎたわ。

　俺、先越されると思ってなかったし」



どっちが先に結婚するか？

って高校の時から話してた俺ら。

実際には隆二の方が早かった。

まぁ、子どもが出来たら

自動的にそうなんだろうけど。



「隆二くんも来年はパパになるんだもんねー！

　奥さんも楽しみで仕方ないだろうなぁ」



「･･･A、子ども欲しい？」



「まぁ、いずれはね。おみは？」



「俺はAとの子どもが欲しい」



「ふふ、私も」



「子どもが出来たらさ、

　こうやって俺らが２人で来たところ

　連れて来てやりてぇよな」



俺がそう言えばAは嬉しそうに笑って

将来のことを嬉しそうに話す。



女の子なら一緒に料理したいけど

おみのこと取られちゃいそうだから嫌だとか

男の子ならサッカー習わせたいけど

練習でおみのこと取られちゃいそうだから嫌だって。



結局どっちも俺取られるじゃん、って

突っ込んだ(笑)



「あ、そろそろだね」



「そうだな、あと2分も無ぇな」



「おみ、1年間お世話になりました。

　ありがとう。来年もそばにいてください。

　･･･大好き」



「こちらこそ。俺も大好き」



Aの唇にそっと口付けると

年越しの合図の花火が

空いっぱいに打ち上がった。



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