515 記憶喪失 ページ24
咲良「ごめんね。
戻らないと。
じゃあ…。」
太輔の横に寄り添う
太「あの…名前が…」
「…Aです。
会社の後輩です。」
そう答えるしかなかった
太「あ、会社の。
わざわざありがとうございます。
みなさんにもよろしくお伝えください。」
…。
「…はい。お大事に。」
そう返すと、にっこり笑った
見慣れているはずのいつもの笑顔なのに…
全然知らない人みたい
部屋に戻っていくふたりの後ろ姿は
すごく自然で…私の入る隙間なんかない
そんな風にさえ思えた
帰りの電車に揺られながら
さっきの話を思い出していた
『思わせ振りなことしてたかな』
『ずっと付き合ってたよ』
『お腹に赤ちゃんがいるの』
『覚えてなかったのは
あなたのことが初めて』
涙で目の前が滲む
全然…意味が分からない
病室で太輔の顔を見た瞬間
全身の力が抜けるみたくホッとして
でも…太輔は私を覚えていなかった
まるで別人みたいな顔をして…
本当なの？
それすら聞くことができないなんて
部屋に戻ると、太輔がくれた時計が目に入った
『同じ時を刻みたい』
…。
『話したい…俺を信じて』
あの日の最後の言葉が
彼女の言葉に戸惑い傷ついた私を食い止める
太輔、嘘だよね？
咲良さんのこと
お腹の赤ちゃんって…
一理の望みをかけるのはいつかの彼の言葉
『咲良は俺以外にも相手がいた』
なら、お腹の子は…
でも…
もしかしたら…
ねぇ、太輔
あの日、君は私に何を伝えようとしてたの？
信じてって、何を？
胸が痛くて苦しくて…ベッドの中
なかなか眠りにつくことができなかった
窓越しに見えるのは細い三日月
ねぇ、太輔
バカだよね
向き合うことから逃げていたのは私の方なのに
胸の痛みがどんなに君を好きか教えてる
そして私はまたすがるんだ
信じて…最後にそう言った君の言葉に
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かみりーな(プロフ) - お帰りなさい！続きが楽しみです！ (2020年3月29日 12時) (
レス) id: 1856802e71 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 涙が止まりません…。やっと二人が前にすすめる予感 (2020年3月27日 0時) (レス) id: c093b1f16a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - あぁー(TT)泣いちゃいました（ ; ; ） (2020年3月26日 23時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
美久(プロフ) - 更新待ってました！これからも楽しみにしてます、ももさんのペースで頑張ってください！ (2020年3月26日 0時) (レス) id: b2030bb904 (このIDを非表示/違反報告)
美希(プロフ) - わぁ~ (T_T) 更新めちゃくちゃ待ってました！ ありがとうございます (T_T) ももさんのペースでまた更新頂ければ嬉しいです☆♪ (2020年3月25日 23時) (レス) id: 9bf00cb10a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年10月7日 20時
