月とオレンジ 12

464 F 可愛い彼女 ページ20

藤ヶ谷said





「どうしたの？その指。」





書類を束ねる指に目をとめた






A「あ、ちょっと火傷しちゃって//」





「火傷？」







萌「Aちゃん、最近妙に張り切って

お料理の練習してるみたいですよー♪」







花嫁修業なんじゃないのー？♪


って、茶化す萌ちゃんに





A「やめてよ//」



って、顔を真っ赤にする








花嫁修業…






もしかして、一緒に住もうって言ったから？








なんか、可愛らしくて思わずニヤけると

こっちを見て恥ずかしそうに目を反らす









だから、やっぱり愛されてんだなって

幸せを感じると同時に、咲良の顔が浮かんだ






…。







萌「あれ？嬉しくないんですか？」







俺の表情にそう訪ねる萌ちゃんの隣で

Aもまた俺の顔色を伺う







「え、いや…嬉しいよ。



もしも、花嫁修業なら。」






って、返すと

キャーって大袈裟なリアクションの

萌ちゃんの隣で、ホッとした表情を浮かべた






俺の表情ひとつで

こんな顔する彼女に…やっぱり言えねーよな







咲良のことは

ちゃんと事が落ち着いてから話そう







そう思っていた

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