月とオレンジ 12

477 彼女の正体 ページ33

年上の綺麗な人…






宮田「元カノ？…とかじゃないか。」






不意に宮田先輩が言った言葉に








玉「あ！思い出した！

そう！あの人、ガヤの元カノだ！




なんだっけ…高校のとき

１回だけ見かけたの。






すげー綺麗だったから…」







太輔の高校のときの元カノ





「咲良さん…。」







玉「知り合い？」







「ううん。会ったことない。

でも、太輔がよく話してたから。」







高3のとき、少しだけ付き合ってた幼馴染みで

東京に来てからも…忘れられなかった人







親友の奥さんでも…諦められなかった人






でも、どうして…







咲良さんと別れてから今まで

名前も聞かなかったし…






会ったりしてないと思ってた






なんで今さら…







宮田「元カノって…一番ダメなやつ。」





少し気まずそうに私を見る






玉「てか、こっちでも会ってたんだ。今更？」







「咲良さんは太輔の幼馴染みなの。

それで…」







って、言うけど、本当は違う







東京で再会したふたりは関係をもっていた







玉「よく会ってんのかな。」







宮「でも、幼馴染みなら納得じゃない？

ふたりが一緒に居ても。」







みっくんと私もそうだしね？って







多分私をかばって







でも、宮田先輩は知らない







ふたりがこっちに来てからも

不倫関係にあったことを








玉「何かあんの？

今も心配しなくちゃいけないようなこと。」







…。







問いかけに首を横に振る



だって、そんなこと言えない







宮田「でもさ、あんまり

心配しすぎない方がいいんじゃない？



ほら、ガヤさんだって

ちゃんと話すって言ってたんでしょ？」







…。








でも、咲良さんが関わってるとして





ちゃんと話してくれることが

なんなのか尚更、不安になる








玉「もう、いっそのことミツにしたら？」







暗くふさぎこむ私に玉ちゃんが軽く言う







え！？//







太輔のことしかなかった頭に

みっくんが突然割り込んできた







「いや、ないないないない//

そういうことじゃない//」







『俺と付き合えばいーじゃん』







またみっくんが顔を覗かせる







玉「そんな否定する？笑」







ケラケラ笑う








宮田「まー、こんなときは飲もう！





何かあったらさ

またお兄ちゃんたちが話聞くからさ？」







優しく微笑む

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